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南鎌倉高校女子自転車部

『南鎌倉高校女子自転車部』(松本規之、マッグガーデン、2012)

事前にそこいらで見かけた評価によると、絵は非常にうまい。自転車がとてもよく描けている。けどマンガとしてはテンポが悪く分かりづらい。というような感じだったと思う。これは玉井Y先生の作品の対を成すものかもしれん、と思い読んでみることに。

けど、実際読んでみても、マンガとして何がダメなのかいまいち分からなかった。全然普通に読めた。面白い面白くないは置いといて、有名な作家/作品だって、もっと“画”が雑だったりコマ割りが変だったりして読みづらいのはいくらでもある気がするけど??私にはそのへんの良し悪しを判別するスキルがないらしい。それともじっくり読み込んでないせいかな。

で、肝心の絵の方はというと。たぶん評判どおり。少なくとも自転車の絵に関してはこれまでに読んだ他の自転車マンガより圧倒的に細部まで書き込まれているし。何より感心すべきことは、自転車と人物のバランス。“マンガ体型”の人物を自転車に乗せるのは難しい、と宮尾G先生が言ってたけど、この人の絵はちゃんと“乗れてる”気がする。というのも、この人の画風だと手足の長さが極端に長いわけでも短いわけでもなく、わりと現実の人間なので、写実的な自転車との組み合わせがうまくいっているのかもしれない。対して現実の人間じゃないポイントは頭の異常なデカさ。自転車含め背景が写実的なぶん頭のデカさだけが浮いて見えるカットも多々あるが、だってそういう画風なんだもんそれは別にいいでしょ。問題なのは、こんな巨頭に自転車ヘルメット被った日にはとんでもないことになる…ましてやこの頭用のヘルメットを小脇に抱えた日には大きさのアンバランスさが強調されて…(((;゜Д゜)))…てな心配をよそに、「ヘルメットを被っても頭の輪郭はほとんど大きくならない」(←よくある話)「外して手に持っている間はヘルメットが小型化する」(←NEW!)という技法で見事に処理している。揶揄じゃなくて、これは素直に感心した。

“マンガ体型”補正で手足の長さが+1、頭の大きさが-1。いわゆる“デフォルメ”によって手足の長さが-1、頭の大きさが+3。都合、手足の長さはわりと普通の人間で、頭だけがでかい人間が出来上がった。…と勝手に解釈してるんだけど。

けど、写実的な絵を描くと逆に、たまに出現する“ちょっとした作画崩壊”が目立っちゃうんだよね。ぱっと目に付いたのは…。2巻P.40の人物と自転車と前輪と後輪の大きさのバランスが全部おかしい。同P.56の自動車と自転車の(ホイール)サイズの比率がおかしい。他にもアウディA8のトランクリッドがありえないところから開いてる(描く前に「アウディ A8 トランク」でググろうよ)、トラックの後輪が前輪、などなど。別に意図的にアラ探しをしてるわけじゃないのであしからず。フツーに読んでて目に付いたポイントだけ挙げてます(純粋に作画崩壊を堪能したい人には、玉井Y先生の作品の方がおすすめです)。あと、シートポストのヤグラの描き方が変。ああいうポストあるの?知らないけど、ヤグラの構造を理解していないかのように見えてしまうので、このへんはカッコよく描けるようになってほしいですね。なにせ作品(作者?)の性質上、後ろからローアングルでお尻を描くことが特に多そうだから。

前から見た んなことは置いといて、中でも特に気になった“ちょっとした作画崩壊”は、これ。ハンドル幅が広すぎる…のは別にいいとして(肩幅が狭いのかもしれん)、前傾姿勢でロードバイク乗ってるのに胸の膨らみが二の腕より前にあるって一体何事??どんだけ胸を強調したいのかと。ついでにふくらはぎが透過してリアブレーキキャリパーが見えてるが…これは細部まできっちり描こうとした証だし単純ミスだろうからどうでもいい。

横から見た こまかいことは置いといて、ようするに横から見るとこうなってるわけだから…(後輪がフレームに思いっきりめり込んでるように見えるけどこれは斜め後ろを走る別の車両の前輪です)

前から見た…やっつけ加工 せめてこうじゃないと。我ながら感心するほどいい加減なやっつけ加工。……。なんか自転車乗りっぽくはなったかもだけど、かわいらしさ激減。まるで男。なるほどハンドル幅が広い理由はコレか。

そもそも「自転車がよく描けてる」という評判のこのマンガに最初に異変を感じたのは、作画崩壊とかそういう話では全然なくて、2巻後半の、昔のサイクリング部の描写。この時代にこんなにスローピングフレームあったのかどうかは詳しくないのでよく知らないが、昭和49年にアナトミックシャローのハンドル、シマノのSTIでしかありえないコブつきレバー、おまけにアヘッドステムの旅行車…当時を知らない私でも分かるくらい、なんか色々おかしい。なんてキモい自転車オタしか突っ込まないようなどうでもいいことにケチつけてんじゃねーよという声が聞こえてくるが、でも、確かに作品上どうでもいい些細なことかもしれないけど、例えば我らが宮尾G先生だったら絶対に犯さない類いの間違いだと思うのです。

つまりこの作者、元々自転車マニアとかじゃないけど、いろいろ調べつつ細部まで描いてるんだなと。女子高ならわざわざ「女子自転車部」とは名乗らんだろうに、というツッコミは置いといて、このまま続けていっていただきたいものである。


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