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試乗きろく 147 2.0TS

――いつかツインスパークとGTAを同時に乗り比べてみたい――。そんなふうにずっと夢見ていた。気持ち悪い書き出し。けど、そんな日は来なくて、結局GTAを乗らずにツインスパークを試乗する日が来てしまった。突如として。

初期型2リッターツインスパーク。左ハンドルMT。これが…もう、とにかく走る走る。よく走る。第一印象はそれに尽きる。プントより100kg以上重いボディに最高出力150psという事前に仕入れていた数字と、そして大昔乗った初代アクセラの2リッター(ATだけど馬力、トルク、車両重量など147と極めて近いので、あんな感じかなーと想像していた)のかすかな記憶から、そこまで期待していなかっただけに、スゴイ。よく回って、回せば回しただけ気持ちよく加速していくエンジン。プントHGTも、評論家に言わせると「アクセルの最初でガバッと開くセッティングで、力強さを演出しているに過ぎない」らしいから、アルファもアルファならではの「味付け」のマジックに過ぎず、実際は遅いのかもしれないが、というか実際速い車じゃないと思うが、この際どうでもいい。というか、この際でもあの際でも、絶対的な速さなんて求めてないんだし、乗って気持ちいいかどうかが全てだ。

試乗は市街地のみだったが、幅の広い道でちょっとステアリングをクイックイッと動かしてみると、たちどころにボディがキュッキュッとついてくる(正確にはこの部分は試乗開始前に販売店の方の運転で同乗試乗したときに見せてくれた)。応答性がどうとかは私ごときには分からないが、とにかく、ハンドリングが超クイック。ワインディングとかじゃなくて普通に走っててもスポーティな「雰囲気」が楽しめるし、交差点を曲がるときでも、少ないステアリング舵角で素直にスイッと曲がれるので扱いやすい。なんですべての車がこうじゃないんだ。そのことにあまりに感激したので、パワステの重さがどうだったかとか、気にすることさえ忘れていたので記憶にない。そうなると、更にロックtoロックの小さいGTAなんてどうなるんだという話だが、GTAは(V6エンジンのせいで?)舵角が狭いかもしれないから、実際のレシオはあまり変わらないのかも(想像)。…と思って後から調べたら確かに舵角は狭いもののステアリングギア比自体がかなり違っていて、ツインスパークでも市販車としては比較的クイックなのに、GTAは完全に市販車離れしたギア比になっているらしい。気になる…。けどGTAに乗っていたことがあるという販売店の方は、TSでも十分クイックだから、全然変わらないよっ、と言っていた。そしてTSの方が鼻先が軽いから、ワインディングではスッと曲がってくれて気持ちいいとも。セールストークかもしれないが。

ドライビングポジションは文句なし。プントはヒップポイントが高いのが気になって、ポジションを下げることに腐心していたのだが、シートの基本構造がプントと(ある程度)共通の147は、しかしフロアからシートレールまでのゲタの高さが少し(2cmくらい?)低いので、その分ヒップポイントも低い。(自分の知能よろしく)とにかく低いのが好きな私だが、リフターの調整を目一杯下げれば、これならまあいいかなと思えるレベル。そして、あるべき場所にステアリングがあり、シフトノブがある。すばらしい。イタポジなんて言葉はもうイタリア車には存在しないのだ。ペダル配置も…さすが本国仕様の左ハンドル。ペダルの左右方向の配置はもちろん、角度や位置関係も至って自然。右ハンドルのプントとは比べるのが間違ってるが、長い月日を掛けて大幅加工して試行錯誤の末にようやく不満のないレベルに持っていったプントのペダル配置でも到底敵わない。右ハンドルでは物理的に実現できない領域。まあ一応コンパクトFFなので横方向は決して広くはないし逆にクラッチが右に寄ってる(というか、クラッチ奥のすぐ左のフロアが早く盛り上がり過ぎ…タイヤハウスのせいか?これ)と言えなくもないけどそんなのは誤差の範囲だ。それより縦方向の空間が、プントとは段違い。靴サイズが大きい人には嬉しい余裕。これがBセグとCセグの差なのか…。そしてそのクラッチが、軽い。軽すぎる。グッと踏み込もうとすると途中からスコッと勝手に足を引き込まれるかのようだ。これじゃ力任せに踏めないので逆に繊細な操作をしないとクラッチミートの下手さが露呈するタイプだな…まずいぞ。更に、以前試乗したMiToと比べると明らかにクラッチの躾が悪く、乱雑に繋ぐととんでもなくシフトショックがでかい。MiToは何も考えずにドンとクラッチを放してもスムーズに繋がってくれて、それが逆に物足りなかったので、これは決してネガティブな点ではない。が、自分の運転の下手さと向き合う勇気は必要になる。

難点もある。シフトタッチ。ストロークが長いので、ちょうどいい位置にノブがあるかと思ったのに2速が絶望的に体に近すぎるし(肘がシートのサイドサポートに干渉する)、左右のストロークも長いので2速→3速の道のりが果てしなく長くて途中で一服したくなる感じだし、リンク部がへたってるのかロッドがグラグラだし(スコッとギアが入る感触自体は悪くないのだがグラグラすぎて入る感触が分かりにくい)、フィーリングとしては全くいいところがない。けどまあ走りが気持ちいいからどうでもいいやと思えてしまう。しばらく乗ると慣れた頃に一気に不満が出てくる感じだろう。そのときはクイックシフトを入れるなり手を加えればいい。

室内環境はさすがに質感が高い。プントが大衆車だとしたら、明らかにワンランク上の「高級車」然としている(価格はさておき)。その差は歴然。ボトムレンジでもアルファはアルファだ(フィアットグループ内の、という意味で)。レッグスペースとか余裕があって手狭さは感じない、というか後部座席も含めとても広いのだが(3ナンバーCセグだから5ナンバーBセグのプントと比べたら広いのは当たり前か)、ダッシュボードの特にオーディオやエアコンパネルのあるセンター部がせり出しているのと、プントより若干センターコンソールに存在感があるためか、コクピットは、プントと比較してもわりとタイトというか、包まれ感を感じる。だが、そこがいい。とにかく居心地の良い環境だ。ジェレミーがインプレでよく「このプラスティッキーな内装やめれ~」といろんな車を爪でカリカリやってるが、147は、特にダッシュボードの質感は全くプラスティッキーな感じがなく好感が持てる(ジェレミーがどう評価するかは知らん)。シートなど直接触れる部分を除くと、やっぱりダッシュボードの質感が一番重要だろう。常に目に入るし。オーディオ~エアコンパネルのシルバー塗装だけが残念だが、価格を考えたら出来すぎなくらいかも。

ただし、よく言われているように、この頃の欧州車の内装は、年月を経て一部のパーツの表面の仕上げ(特殊な塗装?)が劣化するとベタベタしてきて大変なことになるという。具体的にはこの個体はパワーウィンドウスイッチが完全にアウトだが、他にもインナードアグリップ、センターコンソール全体、アームレストのボディ、中央のエアコン吹出し口全体、左右およびリアのエアコン吹出し口のダイヤル、エアコンスイッチ類などが怪しい。新車当時は高級感のある素晴らしい質感だったのかもしれないけれど…。新車から何年くらいでこの症状が出るのか分からないけど、ここまでひどいと国産車だったらイメージダウン回避のため対策部品への無償交換とかサービスキャンペーンの対象になってもおかしくないところだ。幸いにしてダッシュボード本体はそういう塗装ではないようなので、上述の細かな部分をちまちま処理していけば、まだまだ快適に乗り続けられるだろう。逆に言えば、ちまちま処理を自分でしたり、それなりの費用を掛けて業者に依頼したり、どちらもできない人はこんな車とてもじゃないが乗ってられない、とも言える。ちなみに大衆車のプントは、スイッチ類やらセンターコンソールは元々そんな高級感を出す仕上げになっていないので問題ないのだが、ダッシュボード全体が、その劣化してベタベタしてくるタイプの仕上げのようで…。さすがにこの面積を綺麗にするのは手間だし、外して剥離なり塗装なりするのもちょっと素人には荷が重い大掛かりな作業になってしまうし、諦めるしかなかった。けどプントの助手席ダッシュボード上の窪みってホント便利な装備だなーって改めて思わされる。美しくはないものの

乗り心地やサウンドはかなり手が加えられているのでノーマルとは全然違うと思うが、これが…。試乗車はビルシュタインのダンパーにアイバッハのスプリングでローダウンしてあり、更には17インチを履いていたので(標準は15か16だよね)、乗り心地なんてものは最初からまるで期待できない。はずなのだけど、これが実にしなやかに動き、滑らかに路面に吸い付いてくれる。大きなギャップはさすがにガッツリ拾うけど、車高調プントに不満なく乗り続けていた自分には何でもないどころか、感激ものの上質感。石畳に正座の状態から木製の高級スツールに座り替えたかのようだ。純正足回りは異様なほど車高が高く(正確には、最低地上高は低いくせにタイヤハウスの上側の隙間がオフロード車ばりに広い。たぶんストロークが長いのだろう)、かなりロールを許容するらしいので、これは本来の147とは全然性格が違うのだろうけど。サウンドは…社外マフラーの存在感が強すぎて、良すぎて、アルファサウンドだ何だとか、全然分からなかった。アルファV6のサウンドは官能的だといつも讃えられるが、ツインスパークの評価は正直微妙だよね。個人的にはそういうのが分かる耳も感性も知識もないので、この良さがツインスパークエンジンに起因するのか、社外マフラーに起因するのか、皆目見当がつかない。とくかくこの社外マフラーの、絶妙な低音から、回したときの乾いた吠え方(高音というほどではない)への変化、バランスが素晴らしすぎる。サウンドで背中がゾクッとくる、というのを久々に感じた。

スポーツカーなんて、ハンドリングが良くて、吹け上がりが良くて、音が気持ちよければ、あとは何もいらないんだ!という考えに倣うと、これは紛う方なきスポーツカーだ。実用的なFFハッチバックだけど、気分はいつもスポーツカー。これがアルファマジックなのかどうかは知らないが、お世辞にもカッコイイとは言えない顔とか、どうでもよくなるね。

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Author:inne
 

登場人物
147
ポコ
プント
バル
【紺】紺くん
【凸】凸守
【チ】チネ夫
【み】三毛
【撫】撫肩号(ナディ)
【ミ】ミロス


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