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ワゴンR(2代目)

147の代車で2週間ほど。といっても乗った回数・距離はそれほど多くないけど。

13万キロも走ってるし、段差でキュコッと音がするし(エンジンマウントが逝ってるらしい)、とてもこの車の真価を知ることができる状態ではなかったけど、走り出してから5分間はわりと楽しかった。パワステのアシスト量が適度で、接地感というか、コーナーというかカーブ(もちろん一般道で法定速度内)で前輪がボヨンボヨンうねる感覚が伝わってくる。ああ、いま車を運転してるんだな、走ってるんだな、というのが直に伝わってくる。最近の車に多い、本当にハンドルとタイヤ繋がってるの?と思うような軽すぎる電動パワステの車より全然好印象。車はこうでなくちゃ。ただ、ロックtoロック4回転以上のレシオは問題外。くるくる回してばかりで、交差点を曲がるだけで(気分的に)疲れちゃう。ノンパワステがあり得た時代じゃあるまいし、どうして馬鹿の一つ覚えみたいにダルなギアレシオにするかなあ?高速道路で長距離を走るとかより街中をちょこまか走り回る目的が主なんだから、こういう車こそ、それこそロックtoロック2回転くらいの超クイックレシオ(もちろん適度なパワステ)にした方が、狭い路地とか駐車とか快適だと思うんだけど。120km/h以上ではハンドルをしっかり握ってないとすっ飛んでいきそうなくらい(あくまで体感的に)でちょうどいい。どうせ100km/hまでしか出さないんだし、高速道路をかっ飛ばしたいならそういう目的に作られた車に乗ればいいんだから。クイックレシオだとパニック時に横転しちゃうって?それはまた別問題なので略。

ワゴンR(2代目)のペダル配置 シートは出来が良いとは言えず、特に座面の前後長が全然足りないが、小柄な人も快適に乗れるように、ということを考えると仕方がないだろう。うまく調整すればヘッドレストがちゃんとヘッドレストとして機能するだけ、一昔前の車と比べたらマシではある。コラムシフトは何度操作しても慣れない、使いづらい、最悪最低だし、運転席シートの座面が横に長くてベンチシート風になってるのも意味不明だが、ステアリングは自然な位置にあるし(けどチルト機構くらいは欲しい)、何よりペダル配置はなかなか良い。ハイトワゴンだけあってタイヤハウスの影響が少なく、アクセルが左にオフセットされすぎてないし、ブレーキペダルは「ど真ん中」にあって、右足でも左足でも違和感なく踏める。そして、アクセルとブレーキの高低差がしっかり取ってある。「車」の基本を押さえてる感じがして、設計に好感が持てる。個人的にはすべての車がこうあるべきだと思っているが、残念ながらそうではない車種も世の中にはあるので(アクアとかアクアとかアクアとか)。そして、フットレストもしっかりとあり、センタートンネルの出っ張りがほとんどなく運転席と助手席の足元が繋がってるので、左足をとても自然な位置に置けるというのは素晴らしい。この点だけで言えばBMWの5シリーズ(右ハンドル)にも確実に勝っている。

内装。おそらく最低グレードと思われるので、高級感とか期待する方がバカだが、ダッシュボードとかドア内張りの上側に使われてる、いかにも90年代チックな半ツヤ革シボ素材は、実は嫌いじゃない。現代のコンパクトカーのオモチャみたいな内装よりむしろ良いんでないの?ただコラム右下の謎のスペースとか、設計の意図が読めない部分もあり、おせっかいなくらい日常の使い勝手が良いのが当たり前になっている今どきの国産車としては落第点。

ただ。エンジンは踏んでも加速しないし、遮音性ゼロで車内はうるさいし、シートは30分も座ってるとイヤになってくる。ドアがペラペラなのもあり、室内は決して狭くはない。センターコンソールがないことが奏功している。が、その分助手席が近いということなので、助手席との距離感は、恋人と乗るのならまさにちょうどいいかもしれないけど、さして仲良くもない会社の同僚とかと乗るのを想像すると、無理。

リアシートをワンタッチでフルフラットに畳めるのとか、素晴らしいのだが、運転席のシートポジションを自然な位置に合わせていると、ヘッドレストが引っ掛かってしまって畳めない(後部座席ヘッドレストを外すか、前席シートを前に出す必要がある)。

総評。小柄な男性か、女性が一人で乗って、近距離の買い物とか配達とか、そういうのをメインで使う前提なら、よくできた車だ。収納スペースとかそういう「道具」としての使い勝手は、時代を考えてもなお今ひとつという印象だが、その代わり、ステアリングやペダルの位置、軽すぎないパワステなど、「車」としての基本を忘れていないところには、非常に良い印象を受ける。この頃はまだ白物家電じゃなかったんだな、クルマだったんだな、と。長時間・長距離を乗ったり、常に多人数で乗ったり、平均的な体格以上の男性が運転する前提で考えると、問題外。

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四代目プリウスはカッコイイ! のか

いま国産車のデザインで一番とんがってるのはトヨタだ。これは間違いない。カッコイイかどうかはさておき。CMも(観てないけど)際どい言葉選びをしているとか。大手だからできる余裕なのか、大手だからこそ必要な攻めの姿勢なのか、そのへんは知らん。

で、そんなとんがったデザインの新型プリウスが発表されたとき、ネット()ではネガティブな意見が色々言われていたみたいだけど、たしかに、街中に溢れかえることが確定している車のデザインがこんなにアレしてると、街の景観自体が変わってしまうんじゃないかという気がしないでもない。そのくらいインパクトはあった。別に「新しい」わけではなく、流れ的にはキープコンセプトというか、あくまで発展形に過ぎないのに。

ただ、その姿勢には感嘆するものの、個人的に好きかと言われたら、どこからどう見てもカッコよくは思えなくて。否、細部に目を向ければ特定のパーツや角度では良い部分もあるが、クルマとして全体を見ると完全にバランスが崩壊しているというか。これが一番売れるクルマなのだから、自分の感覚がよほど人様とずれてるんだろうなというか、ずれてる以前に感性に乏しいのは自覚しているが、それは置いといて、何がそう思わせるのか。何が問題なのか。

これを見た瞬間、すべての謎が解けた。

プリウスのプルバックミニカー 期間中に試乗予約をするともらえる!キャンペーンをやってた、プルバックミニカー。超カッコイイ!これのためだけに試乗申込みそうになった(さすがにしない)。忠実に再現されたつり目超絶ブサイク顔はともかくとして、全体のラインというか、まとまり感は、すごく良い。ちょっとデフォルメしただけで、なぜこうも実車と印象が違うのか。

それは、リアタイヤの大きさ。新型プリウスは、バカの一つ覚え的に今どきのクルマの絶対条件となってしまっている感のある「ウェッジシェイプ」を極限まで強調したようなラインで、後方のショルダーライン(?)は見上げるほど高い。しかしながら、燃費世界一という宿命を背負ったエコカーの避けられない点として、タイヤはあまり大きくない。結果として、リアタイヤ上の空間が東京ドーム何個分だよというくらいにだだっ広く、間延びしてしまっている。プリウスは国産車にしては珍しくタイヤハウスのクリアランスが狭い(たぶん空気抵抗低減のためだろう)から、余計にそう見えるのかも。更には、後部座席やラゲッジスペースを稼ぐためか、そのままリア全体が不自然に膨張しているから、なおさらリアタイヤの貧弱さが強調されて、見ていて不安になる。

プルバックミニカーは極端に大きな後輪のおかげで、そのアンバランスさが見事に解消され、むしろ見事に均整が取れて、カッコよく見えるのだ、きっと。本来ウェッジシェイプというのは、こういう後ろ足で強く大地を蹴るような足回り(後輪駆動じゃなきゃだめとは言わないけど)と合わさって初めて仕事をするデザインであって、FFのエコカーとは、空気抵抗の点はさておき、相性が良くない。デザイナー的には、本当ならこういう感じをイメージして線を引いたのではないだろうか。その理想の尻上がりラインと、現実のちんまりタイヤが出会ったことで悪夢が始まったと。荷室の不自然な膨らみだって、デザイナーが引いた線を、「もうちょっと荷室を確保したいな」って勝手にちょっと引き延ばして設計したんじゃないのっていう。デザイナーも本心では「コレジャナイ」と思ってたりして。

これは、DTMとかを走ったアルファ155 V6TIはカッコイイのに、市販の155が極めてカッコワルイのと同じ理屈だ。そう考えると、国産車のデザインもようやく155とかクーペフィアットとかの時代のイタリアンデザインに(20年遅れで)追いついてきたか、と感慨深い。いや実際当時のこともデザインのこともよく知らないんだけどとりあえず偉そうに言わないといけないかなと。

空力のためなのかリアのルーフライン(というか一応分類的にはセダンらしいからトランクか?)を高く保ちつつ、リアスポイラーの下側までガラスにして後方視界を確保したデザイン(初代インサイトとかもそうだったし決してプリウスオリジナルのものではないが)は良いと思うので(実際の後方視界は良くないらしいけど)、どこまでもウェッジシェイプに頼らずに、広いガラスエリアを確保しつつも自然にルーフラインを高く保つようなデザインをいい加減作り出せよと思う。ウェッジシェイプが流行して何十年経つと思ってるのか。

GT300のプリウスGT 2015年のスーパーGT最終戦(GT300クラス)で、チートかよと思うほど圧倒的な速さを見せて優勝したプリウスGT。これは先代プリウスのデザインがモチーフだし全然ウェッジシェイプじゃないけど、なんとまあカッコイイこと。きっと新型プリウスをモチーフに作り直したら、もっともっと超絶カッコイイマシンになるに違いない。GT500クラスの、市販前から古くさくなってしまったNSXなんて裸足で逃げ出すことだろう。「レースカーになってもカッコイイ」ではなく、「レースカーにならないとカッコワルイ」デザインなのが残念なところだ。

……と思ったらオートサロンで既に公開されてた。案の定カッコイイ仕上がり。もうこれLFAで良くないかと思わなくもないが。

レースカーもエコカーも、空力特性が大事という点では共通しているので(レースカーはダウンフォースが大事だから違うか)、自然に「カッコイイ」と思えるラインには、両者に共通したものもあるはず。けど、それでもエコカーに求められる「カッコよさ」って、これじゃないと思うのだ。保守的になれと言っているのでなく、攻める方向が間違っている。そう考えると四代目プリウスは、二代目三代目のデザイン的な流れに、「ウェッジシェイプ」とか「つり目」とか今どき(?)のディテールを強調して乗っけただけの、案外保守的な成り立ちなのかもしれない。

それにしても、二代目以降のプリウスというクルマは、一方ではエコカーの代表として営業車にも使われつつ、一方ではエコカーの代表のくせにローダウンして大径ホイール履いてイルミギラギラみたいなカスタム厨にも愛されつつ、という離れ業をたったひとつのボディシェイプでこなしちゃってるのだから、これはもう神車としか言えないでしょう。世界一足が速い弁護士みたいな。

でも、どうせそれだけ台数出るのだし、大企業で体力あるし、販売チャネルもいっぱいあるのだから、同一プラットフォームで違うバリエーション出せばいいのに。アルヴェルとかノアヴォクァイアのレベルじゃなく、かたや一般層向けの究極のエコカー、かたや燃費は半分だけど(それでも20km/L(カタログ値)!)威圧感重視のワイドフェンダーで20インチでも履けちゃうようなカスタムベースになりうるやつ、あるいはモーターに鞭を入れてスポーツカーも真っ青の加速(それでも20km/L(カタログ値)!)とパドルシフト付きのとかでも。…書いてて絶対売れないのが分かって悲しい。そもそもバリエーション作らなくても売れるならわざわざコスト掛けてバリエーション作るわけないし。

今見ると地味だけど、やっぱり二代目のデザインが一番良かったな。タマゴ型と流線型のバランスが絶妙だった。



似てるものシリーズ6

プジョー206とトヨタエスティマ プジョー206(1998年~) と トヨタエスティマ(2代目)(2000年~)。

兄弟車かな?


タイヤローテーションはしたほうが得!

スタッドレスに交換しようとしたら、タイヤローテーションの方法を思い出せなくて(何度見ても覚えられない)、調べていたら
タイヤローテーションはしないほうが得!
こんな記事を見つけたので。

勝手にリンクさせていただきました。たぶんこの方はネタで書いているのだろうが、釣られてマジレスしてみよう。

まず、FF車で、「前輪が後輪に比べて2倍早く減る」という前提で計算しているのに、「ローテーションをする場合」は、なぜか前輪が50%減った時点で1回だけローテーションをする、としている。で、後輪が12.5%残っているのに4本同時に廃棄する。この時点で、「100%使い切ったら、使い切ったタイヤだけを交換する」前提の「ローテションをしない場合」の方が距離単位のコストは安くなるに決まってるじゃん。なぜ、前輪が66.7%減った時点でローテーションしないのか。そうすれば、1回だけのローテーションで、前後同時に100%使い切ることができるのに。

そんなの「現実的に」無理だって?時々、前後の溝を比較して、前後の摩耗の早さの差を調べれば簡単。フロントの摩耗が2倍早ければ66.7%、3倍早ければ75%、4倍なら80%、フロントが減った時点でローテーションすれば、前後同時に使い切ることができる。

とか屁理屈を言う以前に、100%効率良く使い切ったところで、ローテーションをする場合の方が、ローテーション工賃分だけトータルコストは高くつくに決まってるじゃん。何を当たり前のこと言ってるの。

結論。「タイヤローテーションはしないほうが得!」

「現実」は、違う。フロントとリアでは、摩耗する部分が異なる。一般論として、アラインメントが狂ったりしていなくても、フロントタイヤはショルダーが、リアタイヤはセンターが減りやすい。らしい。ずっとフロントに履き続けたタイヤは、センターの溝が残っているうちにショルダーがツルツルになって使えなくなってしまう(わりと経験がある人が多いのでは)。しかし、ショルダーがツルツルになる「寸前」のタイヤでも、リアに持っていけば、(安全性はともかくとして)まだしばらくは使える。

上記リンクの記事でも指摘されている「4本同時購入したほうが割引で安く買える」とか、先に使い切った前輪だけを交換していると後輪は使い切る前にゴムが古くなる可能性が…とか、そのへんは面倒なので省略。

とか屁理屈を言う以前に、タイヤが摩耗して交換時期を迎えるまで、一度もタイヤを外さないことって現実的にあり得るの?全く雪の降らない地域の人でなければ、冬にはスタッドレスに履き替えるのだから、そのタイミングでローテーションすればいい。雪の降らない地域の人でも、一般的な年間走行距離であれば、タイヤを使い切る前に必ず車検やら12ヶ月点検やらがあって、どうせタイヤを外すんだから、そのときついでにローテーションしといてもらえばいいだけの話(業務使用とかさすらいの旅人とかで短期間にものすごい距離を走る場合は…そういう人は安全のために他の部分も含めてきっちり整備してください)。何かのついででもないのに、お金を掛けてタイヤローテーションだけをするのは、無駄。

結論。「タイヤローテーションはしないほうが得!」

もし、どうしても全然関係ないタイミングでローテーションだけをしたいなら、オートバックスのメンテナンス会員になればいい。入会費1,080円(1年間)、継続料540円(年毎)で、年1回ローテーションが無料になる。入会費無料キャンペーンや継続無料キャンペーンをうまく使えれば、実質無料でローテーションができる。別に回し者ではないが、このためだけに入っても損はない。

量販店に帰結するのかよ…。量販店やガソスタなんかでバイト君に車を触らせるのはイヤ、という人もいるが、そういう人は安全に関わることの工賃を惜しんだりしないだろうし、あるいは自分でやるだろう。自分でジャッキ1台でやる場合、ローテーションはタイヤが5本ないとできないのが、DIYでは障壁になるのだけど…。テンパータイヤを積んでいる車なら、それを文字どおりテンポラリに使えば可能だし、ついでに普段チェックしないテンパータイヤの状態も見られるので、わざわざ自分でローテーションしようと思うほど車に関心がある人ならちょうど良い機会になるだろう。パンク修理キットしか積まれていない車の場合は…そんな最近の車に乗ってる人のことは知らん。

タイトルに行き着かない…。

あ、そうだ。タイヤローテーションの方法は、「駆動輪は左右そのまま」。これだけは覚えてください、自分。


似ているエンブレム

佐野某氏による某五輪エンブレム問題に寄せて。

ザハトラーのロゴ 撮影現場とかでよく目にする三脚とか雲台のメーカー、ザハトラー(ドイツ)のロゴと、

スパルコのロゴ ステアリングやシート、ウェア類等モータースポーツ関連用品のメーカー、スパルコ(イタリア)のロゴ。

拾い物の画像で申し訳ないが。ほぼ一緒じゃんね。

件のロゴは白紙撤回されて良かったと思っているが、世の中にはこういうのもある。まさか関連会社じゃないよね?

スパルコはステアリングとかペダルを愛用していた。ステアリングボスは今も使ってる。

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白紙撤回されてすっかり忘れ去られた頃になってアップしてみた。


もう軽自動車()規格なんて廃止してしまおう

個人的に、小さい車は嫌いじゃない、というかむしろ好きな方なのだけど、軽のハイトワゴンみたいなのが大嫌いだ。実に貧乏臭い。軽自動車なんだから潔く小さくあるべし。広い車であろうとするならそれはもう軽自動車であるべきでない。業務用で使われている荷物満載の軽ワンボックスは別だ。コストを抑えて効率をギリギリまで追求した姿には、意味がある。ところが自家用車の軽はどうか。

元々軽自動車というのは、裕福でない層にも自動車を、という目的で作られたらしい。車格を小さくし、排気量を抑え、出力を抑え(自主規制だけど)、その枠内で作ることでコストが抑えられるから(…?)、安く作って安く売れる。庶民でも買える。ということだったらしい。知らんけど。で、そういう事情なので税金も(普通車と比べると)圧倒的に安い。なぜかは知らないけど保険も安い。まさに貧乏人のための車。ところが、軽自動車が「走る棺桶」と呼ばれた時代は今や昔、衝突安全基準やら何やらが厳しくなり、車体は重くなる一方。ブレーキや足回り剛性も昔と同じとはいかないだろう。快適装備を省いた車なんて売れる時代でもなくなり、結果として販売価格は高くせざるを得ず、顧客のニーズが先かメーカーの販売戦略が先か、より広く、より上質な空間へ…と際限なく進んでいき、いつしか軽自動車は規格ギリギリまで膨張した、デザインセンスのかけらもないただの箱、しかも5ナンバーコンパクトカーより遥かに高額という、もはやクルマとも思えない意味不明の物体になってしまった。ワンボックスに限らずほとんどすべての軽が縦に間延びしてるの何なの?

今の軽自動車は、車両価格は高いし、その分遥かに広くて上質になったとは言っても、規格のせいで限界はあるし(特に幅)そのせいでドアはペラペラだし、余裕が無いからデザイン性というもの自体が存在できてないし、快適で安全になった分重くなったけど馬力規制はそのままだから走行性能はそれなりで、無理に回せば燃費も落ちる。まあその点は技術の進歩でむしろ良くなっているかもしれないけど。残った利点は税金が圧倒的に、普通車と比べるとおかしいくらい安いことだけだ。税額に差がありすぎて不公平感から不満が出るのも当然だ。しかしそこもついに増税となり、いよいよ何のメリットもなくなってしまった。軽自動車規格そのものの存続の危機だ。アメリカ様からの圧力もあるらしいとか何とか(軽自動車枠がなくなったところで巨大なアメ車が日本でバンバン売れるようになるわけじゃあるまいに。がんばって売れるとしたら中身フィアット(ランチア)のクライスラー・イプシロンくらいだろうか)。

個人的には軽自動車の増税は妥当だと思う。というと語弊があるが(軽を値上げするんじゃなくて普通車を下げろよというのは尤もだがそれはひとまず置いといて)、軽自動車はもう形式的な枠組みだけ(なんとか協会のために)残して、こと自動車税に関しては普通車と一本化してしまった方が良いのでは。だって、今や軽自動車は貧乏人のための車じゃないんだし。上質で広々とした空間に200万円も払えるのなら、年間1万や2万の増税なんて何でもないでしょ。それだったら1000ccクラスのコンパクト買った方が、税金の差額を考えても安くつくのではないか。リセールを考えると微妙かもしれないがそれも軽自動車の優位性が崩れたら大きく変わってくるだろう。現状軽ワゴンと5ナンバーミニバンの間を埋める車がほとんど存在しないのも問題だが、税金の差額がなくなれば中間の車格の車も登場してくるだろう。バイクで言うと320ccくらいの感じのが。ただ、田舎で車が一人一台ないと生きていけなくて、仕方なく軽自動車の「安いグレード」(ここ重要)を何台も所有しているような家庭にとっては、増税は死活問題というのももちろん分かる。やはり貧乏人のための車は必要だ。

じゃあ、どうしたらいいのか。最初に思いついたのは、(軽自動車の増税を白紙に戻す代わりに)軽自動車規格にサイズや排気量だけじゃなく「販売価格」の上限を設けること。価格が基準より高ければ、小さかろうが660ccだろうが軽自動車を名乗れない。白ナンバーで普通車扱い。乗り出し200万なんて論外。詳しくは略。これこそ、軽自動車という規格が今後も生き残るための唯一の方法だろう。けど、物価はどんどん変わっていくし、オプションとは名ばかりの必須装備が車両本体価格に含まれなかったりという抜け道もあるし、現実的には上限の設定が極めて難しい。ような気がする。

徳大寺氏の本だったか、自動車税は排気量じゃなくて馬力に応じて課税するようにすればいいって書いているのを見たが、現状の排気量に対応したやり方(しかも500cc毎って大雑把すぎるだろ)だと、過給器の有無や性能が無視されるし、ハイブリッドや電気自動車の位置づけが難しいから、出力課税というのは確かに理に適っている。高出力な車ほど環境負荷が大きいかどうかはともかく、高級車ほど高出力なのは確かな傾向だし、馬力規制のある軽自動車は必然的に税金が安くなるし。良い考えではある。しかし一部のクルマ好き変人は置いといて一般人にとって意味があるのは最高出力ではなく実用域のトルクなので、そうなると、低速のトルクを増し増しにしてレブリミットを極端に絞った、「(実用域だけは)力強く走るけど税が安い」みたいなおかしな車がたくさん出てくるだろう。それもちょっと何だかな、である。そういうのを買って、ちょちょいとリミッターカットするのが横行したらそういう車は税額が上がるか?車検の度に最高出力を測定するわけにもいかんだろうし、そうなったらその時だけリミッター戻せばいいだけだから、そうはならないでしょう。そこで…。

自動車税を、新車時の価格に応じて課税する仕組みにしよう。

新車時の販売価格(メーカーオプション含む)をベースにして自動車税を決めてしまえばいい。中古車であっても、あくまで新車販売時の価格に応じて税額が決まる。国が販売価格を把握できるのかって?自動車取得税の計算には販売価格が使われていたはずだから、それと同じデータを使えばよい。たとえば販売価格(値引きを含まない)の1%でどうだろうか。200万円の軽ワゴンは年間2万円と大幅増税になるが、79万円の1000ccコンパクトなら年間7,900円。350万円の普通車で年間3万5千円。2800万円の高級スポーツカーは年間28万円。どうよコレ?当時40万円だった古~い軽自動車を何十年も大事に乗り続けていれば年間4,000円。長く物を使うのが本来エコなのだから、これであってると思う。バブル期に作られた車が死に絶えてしまうのと、当時は高価だったけど今は値崩れしている高級セダンを中古で買ってVIP仕様にして乗っている人たちが大打撃を被るが…排気量が無駄に大きい時点で彼らは今でも高い税金を払ってるのだから同じことか。問題となるのは型式認定のない並行輸入車などだが、絶対数は少ないし、輸入時の価格や、同一車種の正規輸入車の価格に準じて決める仕組みを作れば大きな問題はないだろう。極端に古くて販売価格が分からない車両は、クラシックカー保護の観点から優遇する方向でお願いしたい。

クラシックカーとは程遠いけど、新車に乗れない貧乏人から言わせてもらえれば、初度登録から13年以上経過した古い車は増税じゃなくてむしろ減税してほしいのだが、新車販売を促進したい大いなる力の前ではまあ現実には無理だろうな。環境云々の議論は置いといて、燃費の悪い車はガソリンを多く使うことで既に税金を多く払っているのだから、燃費が良いほど減税というのはおかしい(燃費が良い車をつくる企業を優遇というのならまあ分かる)。そういった車ばかりが売れると、それが税収を減らして国が自らの首を締めていることにはならないか。一切の税金を廃止してその分を全部ガソリン税に乗っけろ、走った分だけ納める、これが正しい、という意見も何度も目にしたが、そんなことをしたら田舎に住めなくなるし、それ以前に仕事で使っている人や物流が死んでしまう。対策として田舎や業務使用を極端に優遇したら登録だけ田舎だったり書類上だけ業務使用になっている自家用車が増えるだけだし。

車両価格に応じて課税、どうでしょう。今まで軽自動車を作っていたメーカーは、普通車との住み分けが曖昧になって存在意義の薄れた不格好でバランスの悪い無駄に贅沢で背も価格も高い軽自動車の代わりに、これまでの技術を活かし、必要なところにはしっかり注力しつつも必要ないところはバッサリ省いた、安くてイイ小型車を生み出してくれることになるでしょう。たとえば初代パンダのような。ちなみに、これは制定以降に製造された車だけでなく、すべての車両に適用する方向で。中古車業界がちょっと荒れるかもしれないが。ていうか、軽自動車の増税は制定以降に販売する車両だけが対象なのに、古い車は問答無用で増税って。しかも重課割合自体を微妙に増やしやがって。本物の貧乏人に優しくない世の中である(本音)。



試乗きろく マツダ デミオ

発表のときから気になっていたデミオに試乗することができた。しかもXD(ディーゼル)と13S(ガソリン)の両方。のでその記録(試乗したのは1月)。

アクセラはカッコ良すぎる公式フォトに比べて実車がいまいちパッとしなかった(キレイにまとまりすぎてなんだか地味?)のだが、デミオは写真で見たそのまんまという印象。アテンザ、アクセラと同じように従来のFFと比べて前輪の軸が前に大きく移動して、今どきのFFコンパクトとしては異様にボンネットが長いことが、かえって販売に影響するのではないか(コンパクトカーにしては鼻先が長くて取り回しが悪そう、その分室内が狭そう、と感じる人がいそうなので)、と余計な心配をしていたりしたけど、見た感じ・乗った感じではまったく違和感がない。先代からまんまキープコンセプトという感じだ。車興味ない人から見たら先代とほとんど違いがわからないかもしれない(それは言い過ぎ?)。が、長いボンネットを持つ流れるようなフォルムと、ころんとした丸っこいコンパクトカーの佇まいをよく高次元で融合させたものだと感心せずにいられない。アテンザ(ややバランスが破綻気味なほどアグレッシブ)、アクセラ(まとまってるけどちょっと大人しくなりすぎ)を経て、マツダデザインがついに辿り着いた境地、とか言うと大げさだろうか。

ただ、公式フォトを見た限りでは、内装デザインが気に入らなかったんだよね。運転席両側に左右対称に配置されたエアコン吹出口とか狙い過ぎで野暮ったいし、対してスッキリしすぎて味気ない助手席側のダッシュボード。真ん中にどーんとタコメーターというのもちょっとオモチャっぽい。しかし、いざ実車に乗ってみると、180°印象が変わった。質感高すぎる!!とても200万円未満のコンパクトカーとは思えない。無駄に革(合皮だけど)のダッシュボード正面ラインやエアコンパネルの左右のパッド部分とか。どっかヨレてるんじゃないかとハラハラするのであまりまじまじと見たくない手縫い感に溢れたステッチとか(手縫いかどうかは知らない)。これだけでもう「買い」でしょ。エアコン吹出口も、ホコリたまると掃除しにくそうだけど実際に見てみるとなかなか良いデザイン。あと、本革ステアリングの触感が最高。純正で気に入るデザインのステアリングってなかなかないのだけど、これはデザイン・質感・握り心地ぜんぶ好きかもしれない。

個人的にはたとえどんなにデメリットがあろうとレザーシート派なのだが、レザーシートは色が白系しかないというのがイカンと思う。汚れが気になるとか、イメージに合わないって人絶対いるでしょ。今後マイチェンや限定車で違う色の設定が出てくるに違いない(「黒は追加料金」商法とか)。しかし、試乗車のXDは布シートだったが、これの出来が非常に良い。ネットのインプレでは「柔らかめ」と書かれていたが、そんなに柔らかいかなぁ。レザー派の自分でも、これだったら布シートでいいやと思えてしまう。アクセラと骨格が共通でサイズ感も十分らしいが、全体的な出来が良すぎて(もはや欧州車に迫るレベル?)、唯一、座面の前後長の不足が特に気になってしまった。こればっかりは、身長150cmかそこらの人でもぴったり座れる設計にしなければならないという縛りのある日本車としては仕方がないことだ。欧州車ばかり乗ってきた自分としては、しっかり深く座っても太もも裏側のサポートが途中で切れてしまう点が気になってしょうがない。試乗だけなら少し乗れば気にならなくなるが、逆にオーナーとなって長く乗っていると絶対にまた気になり出すポイントだ。ゆうてそんな長身でもないのだけど自分、180cm以上の人とか、みんな気にならないのだろうか。この点は欧州車の圧勝だが、欧州車ほど座面の前後長があると、小柄な女性は膝裏までぺったりシートが触れてしまって逆によろしくないことはよく言われているし、実際に体験した人から聞いて理解している。ワンサイズのシートで両方の需要を満たすには、座面の先を伸ばせるデザインにするしかない(最近見ないねそういうシート)。

さて、走りだす。まずはディーゼルのXD。ふつうにアクセル踏んだだけなのに、ぐわっと車が前に押し出される。トルク感がマジでスゴイ。1500回転くらいから急激に盛り上がる加速感は、とてもコンパクトカーのそれとは思えない。内装の質感ともあいまって、ワンランクもツーランクも上の車格の車に乗っているようだ。ボディサイズは大きく感じないけど、これは気持ちのゆとりにつながる。がしかし、マニュアルモードで低いギアでぐわーっと引っ張ってみると、トルク感がスゴイのはほんの一瞬で(というか山がスゴすぎるから余計にそう感じる)、3000回転も回らないうちに明らかにトルクがスカスカになるのが分かる。回転の上昇も鈍い。アテンザのXDはとてもディーゼルと思えないほどスムーズな回転の伸びと自然なトルクカーブが衝撃的だったが、それと比べると、ああディーゼルエンジンなんだな、と思ってしまう。この点はMT車だとトルク特性がぜんぜん違うようなので、もっと自然なフィールにまとめているのかも。MTの購入を検討している人はMTを試乗してみる必要がありそうだ。まあディーゼルって本来ぶん回すものではないのでこれが正しい姿だと思うが。しかし振動や音はアテンザよりも更にディーゼル感がない。不思議なものだ。

トルコンATだが、シフトアップのタイムラグは及第点。先代デミオの最低最悪だったATとは比べるべくもない。ショックも少ない。特にシフトダウン時に自動的に回転数を合わせてくれるの(スカイアクティブになってからついたらしい)には感動すら覚えた。まるで2ペダルMT。DCTのレスポンスやダイレクト感と比べてはいけないだろうが、シングルクラッチの2ペダルMTを完全に超えているかもしれない。パドルシフトのクリック感もまあまあ。けどマニュアルモードで走ってると60km/hそこそこでは4速までしか入ってくれない。これはアテンザのXDも同じだった。理由はアテンザと同じだろうか?効率とかそういうのは置いといてこまめなシフト操作を楽しみたいなら6MTを選ぶしかないだろう。

ひとつ気になったのは、アイドリングストップ機構(i-stop)。ブレーキを離すとセルの音が分からないくらい即座に掛かって、左足ブレーキで乗る自分でも全く不満のない復帰速度だが、さすがにディーゼルだけあってか、再始動時の振動がでかい。試乗は田舎道だったから気にならなかったが、停車してばっかりの混雑する都会で乗って発進のたびにこれが来るかと思うとちょっとやだなーと思う。燃費とか環境とか気にしない人ならi-stopをオフにした方が吉かも(オフに出来るかどうか知らないが)。

次に、1.3のガソリンエンジンに乗り換え。走り出した感じとか音とか、ディーゼルとまるで差が感じられず(鈍すぎ?)、そのことで逆にディーゼルの出来がいかに良いかを実感させられた。しかし、幹線道路に出てマニュアルモードで加速すると、全然別物だと分かった。当然ディーゼルのようなトルクの盛り上がりはないのだが、その代わり滑らかなトルク感でぐーんとスムーズに上まで回って、個人的にはこっちの方が気持ちいい。絶対的なパワーはないけれど、非力なエンジンが無理して回ってるというようなうるさい感じもなく。トルクは違っても最高出力はそんなに変わらないし、回して走るならディーゼルと比べても力不足は感じない。またディーゼルと違って、マニュアルモードで操作すると60km/h未満の巡航でも普通に6速まで入るし(実際に効率がどうかは置いといて、マニュアルモードでも低回転でエコ走行をしてます感はしっかり味わえる)、減速時25km/hくらい出ていても1速まで落とすことができた。ものすごく無駄かもしれないけど自分で変速操作を楽しみたいのならこっちの方が断然良い。パドルシフトは別になくてもいいや。今回のデミオはディーゼルありきで、1.3のガソリンなんて法人向けとかボトムレンジの価格を下げるためのオマケくらいに思ってて全然期待していなかっただけに、ガソリンエンジンの方が気に入ってしまった。

アイドリングストップからの復帰時も、ディーゼルと比べると明らかに振動が少ない。軽自動車でアイドリングストップが付いてる車を街で見ると(乗ったことないので外から見た限りでの印象)、発進のたびに「キュコココバビィン!」と安っぽくて長いセル音と貧弱なエンジン音を響かせてて、言っちゃ悪いけどそうまでして経済性を追求して人生楽しいの?とか思ってしまう自分だが、これなら我慢することなく燃費を向上させて財布への負荷を減らし、同時に環境へ配慮してます感をアピールできる。営業の方に聞いた話だと、ディーゼルは確かに燃費も良いし燃料代も安いが、10万km乗ってもガソリン車との車両価格差をペイできないらしい。だからディーゼルを選ぶ人は「走りの楽しさ」で選んでいるという。だったら個人的にはディーゼルを選ぶ理由がひとつもない。ガソリン車の方がむしろ走ってて楽しい。ディーゼルの方が価格が高くプレミアム感を出しているのは、国内でのクリーンディーゼルの目新しさを突いたマツダの販売戦略であり(軽自動車の高級グレードが売れているちょっと頭おかしい国・日本でしか成り立たないことだが、ほんとうまい。感服する)、ディーゼルは本来経済性こそが第一義だ。低速トルクが豊かなのも、車を操ることを楽しむよりも、街中での扱いやすさや、安楽にクルージングするときに活きてくるもので、本当の意味で「走りを楽しむ」のなら、ガソリンしかないでしょう!!と強く言いたいけどこういう価値観を分かってくれる人はほとんどいないに違いない。実際買うなら両方ともMTで乗り比べないと判断できないが。

乗り心地は至って良好で、というか、マツダらしく(国産車らしくなく)欧州車のようなしっかりとした足回りで、適度な硬さが心地よい。フワフワの国産車に乗り慣れた人は硬いと感じるだろうが、ところが、その上下動がとてもしっとりとしていて、高級感すら感じる上質な乗り味。車重の軽いトーションビーム(←先入観)の5ナンバーコンパクトとはとても思えない、重厚感とでもいうか。試乗だけなのでコーナリング時にどうとかそういうのは分からないが、時代は変わったんだなぁと。ただ、XDと比べてガソリン車の方が突き上げが強く、ゴツゴツした感じがした。試乗車のタイヤサイズがディーゼルは16インチ、ガソリンは15インチだったのかもしれないが(乗ったくせにちゃんと確認してない)、だとしたらなぜ16インチの方がしなやかなのだろうか。車重の違い?それとも単に気のせい?

ところで、新型デミオのキモとも言える、ペダル配置は?正直、自然すぎて乗ったときも運転中も何も感じなかったが、降りる前にやっと思い出して、アクセルペダルの位置を改めて確認してみると、確かに、右奥のいい感じの場所にある。左右位置はともかく、コンパクトカーでここまでアクセルが「深い」車は記憶にない。足元スペースの余裕はかなりものもだ。なるほどねー。こんなん乗ったら右ハンドルのイタフラコンパクトなんてゴミすぎてもう乗ってられませんわ。ちなみにブレーキペダルの位置・大きさは左足ブレーキでも違和感のないものだった。よく考えたら右足ブレーキ試してないや…。ホイールベースを80mmも延長して、それを全部前席のスペース確保に注ぎ込んじゃったマツダの心意気、高く評価したい。コンパクトカーなんて基本1人かせいぜい2人乗車がほとんどでしょ(7人乗りミニバンですら1人で走ってる時間が大半なのが実情だろう)、限られたスペースなら前席の快適性向上に役立てるのが当然。3人以上乗ることが多いんだったら大きい車買えば?という開発者の声が聞こえてくる。後部座席は座ってみていないが、絶対に期待できない。なぜなら、運転席後ろに座ったディーラーの担当者さんがモゾモゾする膝の動きがはっきりと背中に感じられたから。試乗中に後部座席の狭さを的確に伝えてくれるこの担当者さん、只者ではない。

あとは…上級グレードに付いてくるヘッドアップディスプレイみたいなやつ。ハイテク装備だが、メーター周りのデザインともあいまって、かえってオモチャ感が増してる気がする。そして試乗中一度も見なかったことに後から気付いた。これ、要らないよね。そんな感じで終わり。


試乗きろく スバル エクシーガ 2.5

エクシーガなんてただの失敗作だと思っていた。インプレッサ(WRX)は無理でもせめてレガシィにしたいけどミニバンを求める家族の声に抗えないお父さんが妥協して買うのを見込んで、レガシィっぽい形状のミニバンを作りました、というふうにしか見えない。結果できたものは、レガシィを縦に伸ばしたような壊滅的にかっこ悪い形状、ミニバンと比べるとボンネットがしっかりあって取り回しが悪い、室内もミニバンほど広くない、何の取り柄もない中途半端な物体。乗っているだけで周囲から同情の目で見られてしまう車。私的「The worst estate cars of all time」のトップ5にランクインするくらいカッコ悪い。発売当時の電車内広告のコピーも最悪にセンスがなかった。

けど、147が入庫中でアシがないことを高圧的に話したら、心優しい知人が「どっ、どど、どうせしばらく乗る予定ないし…」と、少しの間貸してくれた。世の中、いい人っているんだなぁ。そして、説明を受けつつ乗ってみて、その存在意義がなんとなく分かった。その記録に。

中途半端だと思っていたが、乗ってシートポジションを調整している時点でその存在意義が分かった。なぜか助手席までもが電動となるシートを一番下まで下げて、膝裏側を少し持ち上げてやると、スポーティとは言わないけれど全く違和感のない乗用車ポジションが実現できた。なるほどこれならミニバンを毛嫌いする層でもとっつきやすい。それでいて天井は高く、後部座席も広く、荷物がいっぱい積めて、7人乗ることもできる、そんな車が200万円台で買える。それってスゴイかもしれない。ただ設計自体はヒップポイント高めのミニバンスタイルで乗る前提らしく、シートを下げすぎるとメーターの下の方が見づらい、かといってチルトを下げると膝に当たる(上げてもまだちょっと膝に当たる)、フットレストの角度が寝すぎていて違和感、目の高さに巨大なドアミラーがあって右前方視界が悪い、など色々無理が出てくる。うーん。でもシートは、座面の前後長があと一歩ということを除けば至って良好。アームレストとか、ドア内張りとか、細かいこところに目を向けなければ質感も安っぽすぎて死にたくなるとこはない。価格を考えたら文句を言う方が間違っている。ペダル配置・角度は至ってふつう。アクセルの右に少しスペースがあるけどそこまで寄せなかったのはなぜか。しかしフットレストが、角度だけじゃなく位置も良くない。センタートンネルが出っ張りすぎて、右に寄っていて違和感。このへんはAWDだから仕方がないのかも。

そして走り出す。アクセルをかる~く踏んだだけでドン!と加速して、2.5リッターエンジンの力強さに驚く。というかアクセル操作がシビアすぎてスムーズに発進できない。…と最初は本気で思ったけど、どうやらアクセル踏んでから車が実際に動き出すまでにタイムラグがあるので、最初に乗ったときは、アクセルを少し踏む→動かない→動き出すポイントまでじわーっと踏み増す→一瞬遅れて車が加速開始したときにはちょっと多めに踏んじゃってるから強めに加速、ということが0.5秒くらいの間に起こっていたらしい。それに気付いてからは、アクセルをそっと踏んで、加速が始まるまでそのまま待ってやると、スムーズに走り出せることに気付いた。CVTのせいなのか電スロのせいなのか何なのかは知らない。

この車はCVT特有の違和感があまりないらしい、とオーナーから聞いたが、実はCVTにちゃんと乗るのは初めてなのでよく分からん。少なくとも違和感はない。軽くアクセルに足を置いているだけなのに、タコメーターが一定のままでスーッと気持ちよく加速していくから、法定速度なんてあっという間に到達してしまう。当然シフトショックもないわけだし、なんて安楽な移動手段だろう。動力性能も十分。しかし、パドルシフトに手を掛けてグッと踏み込んでみると、ガァァーと勇ましいエンジン音が響くだけで、全然加速していかない。いや、加速はするんだけど、加速「感」がない。なんぞこれ。実用域がパワフルで扱いやすいとか、フラットトルクを褒めるべきなのかもしれないが、少なくとも回しても面白くない。回しても何の意味もない。低回転で、低回転の割に力強い走りを楽しんで、燃費走行を心掛けるしかない。けどその燃費も街乗りで9.9km/l、高速や田舎道巡航を併用してもやっと11km/lという、今どきの車としては残念な数字(カタログ値は10・15モードで12.6らしい)。AWDだし7人乗りミニバンなんてそんなものなのかもしれないが。

そういうわけで、「S」と「S♯」とダイヤルで切り替えられるが、エンジン音がうるさくなってエンブレが強くなるだけ、という印象。そして、シフトレバーを倒してマニュアルモードにし、パドルシフトを操作してみると(シフトノブは+と-が逆で使いづらい上に、アームレストを上げないと操作しづらい位置にあるので、基本使わない前提なのでは)、驚愕の結果が…!アクセルを一定にしてパドルの「-」をパチパチ操作すると、エンジンの回転数が、ブーン…ブィィーン…ガェァァァ…と即座に変化する。それだけ。タコメーターの針とエンジン音が変わるだけで、加速感も何も変わらない。CVTだから当然シフトショックなんてものもない。そもそも低回転でも力強いから、シフトダウンしなくてもアクセル踏めば踏んだだけ加速する。これって操作する意味あるの?

ただ「D」レンジでもパドル操作すると一時的にギア比を変更できるから、下り坂とかでハンドルから手を離さずにパチパチするだけでエンブレを自在に効かせられるのは便利。ただそれだけ。放っておくとまた勝手にDレンジに戻る。手動で強制的にDに戻したり、パドルだけでマニュアルモードになっている時間をコントロールできたら便利なんだけど、できるのかどうか調べてないので分からん。

ふつうに市街地とか高速とか走っただけなのでハンドリングとか知らん。けど背高ミニバンみたいな不安定感は一切ないし、1名乗車や少ない荷物でもしなやかな足で乗り心地良いし、偉そうに言うとなんか良くできた車な感じがする。ロックtoロック3回転オーバーのステアリングも、街中で乗るには違和感ないし、パワステが軽すぎてオモチャみたいなんてこともないし、ミニバンとしてはロングノーズの最小回転半径5.5mは、ボディサイズのわりに取り回しが良い印象。むしろ147が小回り利かなすぎて、今後何に乗っても「取り回しがいいなぁ~」としか思わないだろう。

ところで、評判が良いんだか悪いんだか分からないアイサイトだが、ふつうに運転している分には警告音が出ることもないし、万一のときに多少なりとも被害軽減できる可能性があるのならあって困るものでもないだろう。ただ、少し前に左折しようとしてる車がいて自分が直進したいとき、左折車がほぼ左に消えて進路がクリアになるかどうかのタイミングで接近すると、自分的に車間(というか左サイドと前車のケツの距離)が十分にあっても毎回必ずピピピピと警告が鳴る。一度なんか、タイミング的にどう考えても行けるだろという状況だったのに勝手に急ブレーキを掛けられて、「おい勝手にブレーキ掛けるじゃねえよ!」と車を叱りつけたこともあった。後続車も「なに急にブレーキ掛けてんのこいつ」という感じだっただろう。追突されたらどうすんだという。おそらくアイサイトさんは、前方の障害物が横方向に移動しており、自車がその場に到達するまでには障害物が自車の進路から自ら外れる、ということは分からないのだろう。ただこういう状況って、前方の左折車が全く予測できない理由で急に停まったり、あるいはなぜか急に後退してきたために進路がクリアにならず、ハンドル操作でも避けきれなくて左前方がガリッ、ということだって十分に考えられるので、安全を考えるなら進路が100%クリアになるまで警告し続けるのが筋だろう。現実的かどうかはさておき。

レーダークルーズコントロールは、高速巡航だけじゃなくトロトロ進んでなかなか止まらない渋滞でも使えて超便利。と言いたいけどそこまで機械を信頼できない古い人間にとっては逆にハラハラするだけ。前の車が停まると自動的に完全停止までしてくれるけど、そのままフットブレーキ踏まずに一定時間(数秒?)経つと警告音とともにブレーキが解除されてクリープ現象で再び動き出すという恐怖の機能付きだから、楽すぎて注意散漫になってしまったら…と思うと恐ろしくて使えない。まあでも追尾なしのクルコンは交通量の多い高速道路では全然使えないから、色々な速度の車が入り乱れて走る京葉道路なんかを走ってみると、便利な時代になったなぁ、としみじみ思う。

どうしても許せないのは、アイドリングストップ。止まるときは非常にスムーズにストンと落ちるのだが、再始動が毎回、キョコココブォンブルブル…って。冷間時にふつうにエンジン掛けるのと全く変わらないクランキング(というか、セル音)の長さ。そして、マツダのディーゼルよりも酷い振動。ボクサーエンジンだからだろうか。知らんけど。都内で赤信号の度にこの振動を味わっていると、ガタガタうるさい貧乏車に乗っているような、とても残念な気分になる。エアコン使ってるときだと停止後長くても10秒くらいで勝手に再始動するし、そうまでして燃費稼いで何が楽しいの?しかもそこまでやってリッター10kmとか、バカなの?という。世の中のほとんどの人は、環境のためとか思ってないよ。お財布のためだよ。微々たる燃料代をケチるために却って貧しい気分を味わうとか本末転倒。ファッション感覚で「環境のため」と言いたい人も、自分が貧相な気分を味わってまでそうしたいとは思わないでしょ。

それに、クランキングが長いということは、再始動に時間が掛かるということだ。アクセルを踏んでから動き出すまでの謎のタイムラグと合わせると、ブレーキを離してから動き出すまでが、ものすごく遅い。かったるい。(左足ブレーキの場合で)アクセルを早く踏み過ぎると発進がギクシャクするし、アクセルを深く踏み過ぎると急発進になるだけで素早く動き出してはくれないし。交差点で右折待ちのときとか、一瞬停まってすぐ動き出すときにアイドリングが止まっちゃってすぐ再始動となると、振動は大きいしタイムラグはあるし燃費には悪影響だしで、なんかもう色々と残念な気分になる。アイドリングストップは一定以上ブレーキを踏み込んでいないと機能しないので、乗ってるうちに、車体は停止しているけどアイドリングが止まらない微妙なブレーキの踏み加減で、一時的にアイドリングストップをキャンセルする技術がいつのまにか身についてしまう。けどブレーキをしっかり踏んでいないと後ろから追突されたときに動いちゃって危険なので、よい子は絶対に真似をしてはいけません。アイドリングストップはボタンひとつで解除できるから、最初からカットしておくのが吉。それもエンジン切って再始動する度にONに戻っちゃうのがまたストレスなのだが。

あれ、書き出した時点では褒める記事だったつもりがネガの方が多くなってしまった。しかしよっぽど不人気なのか、街中を走ってても同じ車とすれ違うことがほとんどない。ましてボディカラーまで同じとなると、もし見かけたら全力で手を振っちゃうレベル。けど、一週間ほど乗り倒したけど、いい車ですよ。私は買いませんが。

あ、もうひとつ話題があった。仕事の関係で時々会う今どきの若者(高校生男子)。いつも147を見ても全く何の反応も示さなかったが、借り物のこの車を見るなり「あ!車、エクシーガじゃないですか!どうしたんですか?」だって。



ネット上のアホな噂まとめ(自動車&自転車)

<自転車編>

タイヤサイズに対して細すぎるチューブを使うと、タイヤとチューブの間に隙間ができてしまうので、タイヤとチューブが擦れてパンクしやすくなる。
チューブ単体で空気を入れてみたことないの?どれだけ柔軟に膨らむかやってみ?そもそもチューブがそんなに硬いならタイヤ要らないでしょ。チューブだけで走れば?ただ、細すぎるチューブを使うとパンクしやすいという可能性は考えられる。ゴムがより伸びた状態になるからね。どれほどの差異が出るのか分からないが…。

ロードバイクのステム長は誰が何と言おうと100mmが基本。90mmよりハンドルステムを短くするとハンドリングがクイックに、110mmより長くするとダルになる。
まあ確かに、ハンドルの左右方向の移動距離とタイヤの切れ角の比を考えたらそうだが、じゃあプロロード選手は随分ダルな自転車に乗っているんだね。というか、あなたは自転車でコーナーを曲がるとき、大きくクイックイッとハンドルを動かしているのか?それとも走っている間常にハンドルに全体重を預けちゃってフラフラしてるの?コーナリング特性は基本的にジオメトリが担う部分なので、ステムの長さくらいで急に性格が変わったりしないよ。いや、変わる!と言い張る人に限って、ステム長を変えずにハンドルのリーチを変えたときとか、コラムハイトを変えたときにも同じように変わるとは言わない。それを言ってしまうと、「じゃあハンドルのリーチは何mmが基本なの?」と聞かれたときに困るから。ていうかもし変わるならハンドルを持つ手の位置が1cmずれただけで挙動が変わって、上ハンなんてとてもじゃないが持ってられないことになるだろ。もっと言えば手放し運転時の挙動はどうなるのか。ただし、ダンシングでハンドルを乱暴に振ったときの挙動が変わる、というのなら非常によく分かるが。経験的に。ただしこのへんの理屈は実はよく分かっていない。

テクトロのRX-5ミニVブレーキを買ってフロントに装着しようとしたら、「L」と刻印されたアームが右側に、「R」と刻印されたアームが左側にしか付かない!これは不良品だ!あるいは騙されてリア用を買わされた!
正確には「RC」と「LC」という刻印がある。テクトロに限らず、ほとんどのメーカーのVブレーキが前後共用で作ってるんだ。でもフレームのステーの関係で多くの場合フロントは進行方向前側に、リアは進行方向後ろ側にブレーキアームが付く。ということはフツーのフレームではフロントとリアで左右が逆になるんだ。それにフレームによってはフツーとは逆に付くものもあるというのに、アームの左右が指定されてるわけないだろ。某個人売買でこれでクレーム言ってきた人には本当に参った…。ブレーキ単体で見たときに右側にくるアーム(通常ワイヤーを受ける側)を右アーム、左側にくるアーム(通常リードパイプを受ける側)を左アーム、と区別するための刻印だという発想がなぜ出てこないのか。ただしブレーキシューのL/R指定(というか回転方向指定)は指定されてるから間違わないようにね。つまり、Vブレーキで「フロント用」「リア用」が区別されて売られていたとしたら、それは単にシューとアームの組み合わせが逆になってるだけと思ってほぼ間違いない。前後を完全別設計にしている変態ブレーキも世の中にはあるのかもしれないが見たことない。

<自動車編>

左右非対称のタイヤパターンは、意図的に車体が右に流れるように設計されている。
道路は水捌けのために路肩側が低くなっている。日本は左側通行なので、左側が低い=直進していても車体が左に流れる。それを相殺するため、だそうだ。え、じゃあタイヤメーカーはわざわざ右側通行用・左側通行用のタイヤを逆パターンで作ってるのか?「輸入タイヤ」はどうなるの?英国とフランスを行き来する車のタイヤは?そもそもトレッドパターンのわずかな違いくらいで車体が横へ流れたりするかよ。まあ、もし右側通行用・左側通行用を作り分けるほどコストが掛けられるならまず車体の右側用・左側用を作り分けるでしょ。

右ハンドルである日本車はまっすぐ走っていても車体が右へ流れる。左ハンドルの輸入車は逆に左へ流れる。
恐ろしく恰幅の良い人が一人で運転席に乗っていて、しかもそのクルマがシトロエン2CVだったりして、転がりそうなくらいに車体が傾いて走っているのならともかく…設計上わざとまっすぐ走らないようにしてる車があるわけないだろ。どうしてもそう感じる場合は、車には四輪アラインメント調整を、運転者には骨盤矯正をおすすめします。

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んー、もっと色々あったような気がするけど思い出せない。


試乗きろく DS3

フランス車乗りは変人、シトロエン好きは変態(日本国内の)フランス車、特にシトロエン乗りは全員変態だと思っている。そんな変態車のひとつ、DS3。試乗というか、最近購入した人間から借り出してロング試乗(と言っても総計60km程度か)ができた記念。いや試乗したというより運転手&回送をやらされたと言った方が正確かもしれない。全然関係ないけど画像は、西風『SPEEDSTER』リイド社、2001、p.63より。

DSと聞くとやはりあの伝説のDSを想像するが、DS3はそこまで独創的で“新しい”かと言うと…。単にBMWミニのシトロエン版じゃないかという気がしないでもないが(同じエンジンだし)、欧州各社が軒並み「かつての名車のリデザイン」みたいなもので成功している(ビートル、ミニ、チンク。かつての世界4大名車のうち3台だ)なか、DSという名を冠しつつも「過去へのオマージュじゃない」ときっぱり言う姿勢は立派としか言えない。

グレードは「シック」。現行の1.2L+ETG5ではなく、旧モデルの1.6L+4AT。現行も試乗をした結果、1.2Lの非力感が予想以上だったのと、今どきシングルクラッチのETG5の、シフトチェンジ時の空走時間があまりに長くて違和感ありすぎで、比較して圧倒的にパワーもあり自然な走りの旧モデルを選ぶことになったというプロローグ付き。これは絶対旧モデルの方がおすすめ。現行の方が圧倒的に燃費が良いじゃないかって?あなたは年間何キロ走るのか?環境オタクや数字オタクでないのなら、そんなのこの車を買うような人間が気にすることではない。

DS3といえば、C3のちょっとはっちゃけたモデル、だと思っていた。けどC3のゼニスウィンドウの方がよっぽどはっちゃけている。DS3は派手な意匠を纏いつつも極めて常識的な車。やや(わりと?)低められた全高と3ドアハッチのボディだが必ずしもスポーツモデルではなく、スポーツ志向の「レーシング」や「スポーツシック」と、非スポーツ志向の「シック」がラインナップされる。つまりシックに限っては見た目が全てであって、エンジン性能とかは求めていない人のための車。だから旧モデルがおすすめと言いつつも、1.6から1.2になって燃費向上した代わりに非力化したのは極めて正常進化であり評価すべき点。でも敢えて旧モデルの1.6を選ぶ価値は、AL4と呼ばれる時代遅れの4速ATにあるのかもしれない。という話は後述。

■ドア

まず乗り込む前に、全く力を掛けなくても自然にバタンとしっかり閉まるドアに衝撃を受ける。ドアを力任せにやたらと強く閉める人が大嫌いな自分は、半ドアにならない範囲で極力弱い力で閉めるというのをいつも気をつけているが、これは軽く閉めたつもりでも強く閉まりすぎる感じがして、ギリギリ優しく閉めるのが難しい。リアハッチも同じく。10cmかそこらの高さのところで手を放せば、自重でパタンと静かに閉まる。軽々と閉まるのに、カッチリ感があって、薄っぺらい感じは皆無。すごいなあ。こういうところでクルマに対する評価ってのはかなりの部分が決まるんじゃないかと思う。

■内装

フランス車の最重要ポイントだと勝手に思っている内装は、隙間があいてるメーターフードとか、ピアノブラック(グレードによっては白だったりガンメタだったり色々)のダッシュボードとか、とても頑張ってる。ダッシュボード上部は、よくある革シボとは違う無機的なパターンの表面に、中には薄くクッション素材が入っているようで、押すとやや柔らかい。なのに、同じ見た目の素材が張られたドア内張り上部(肘を置いたり、比較的よく触る)は、触っても柔らかくない。逆じゃないのこれ。ダッシュボード上部はふつう触らないし。あと、上半分が頑張ってるだけに、下半分のグローブボックスとかコラム下パネルの超絶安っぽいグレーのプラスティック感が残念すぎる。価格帯を考えたら限界はあるだろうが、もうちょっとどうにかならんかったのかと思う。ちなみにこのグローブボックスは開けてびっくり、フタはでかいのに実際ボックスになってるのは右寄り半分以下で、車検証入れすらも入らない。これは左ハンドル車だとコラム下に位置するヒューズボックスが右ハンドルになっても移動されておらず場所を取っているからで、左ハンドル車のグローブボックスは常識的な容量があるっぽい。ボンネットオープナーが助手席側にある点といい、いかに右ハンドル車が手抜きであるか露呈するポイント1である。その代わり、コラム右下の小物入れは右ハンドルだけのもの。ETC車載器の設置に鉄板の位置だ。

■シート

ファブリックのシートは、見る限り座面が真っ平らで、とても硬い。なんか平たい板に座ってるみたい。これが、とても良い。フランス車のシートって柔らかくて、それが柔らかい足回りとも相まって極上の乗り心地を作るんじゃなかったっけ?これはそういうイメージとは正反対。だけど、これが、とても良い。人間工学に基づいて作ってる…かどうかは知らないが、クルマのシートってのはこうあるべきだと思う。きっと長距離ドライブで特に威力を発揮するだろう。サイドサポートがそれなりにあるけど、標準体型の人間だとホールド感というのは特になくて、普段乗りには最適な感じ。座面の長さも及第点。個人的な好みで言えば147のスポーツレザーシートや147GTAのレザーシートの方が好きだけど、500なんかとは比べるべくもなく上。これはこれまでに座ったシートの中でも上位かも。あるいはファブリックシートの中ではトップを争う出来かも。対して、ステアリングは見た目も形状も良いのに、革が薄い?硬い?ような感じがして触感はイマイチ。シフトレバーに至っては全方位的にプラスティッキーな見た目&感触で、とても残念な出来。メッキでごまかそうとしてんじゃねえよタコ。AT車はペダルがアルミじゃないのは仕方がないにしても、こういった常に触れる部分はもっと力を入れてほしいのに。

ポジションは、至って普通。最近のクルマってなんだか異様にフロアが高い気がするんだよね。安全性確保とかで構造的にそうなっちゃうのか、意図的にそうしているのか。DS3はC3よりも全高を低めてスポーツ寄り(?)のポジション(=座面とフロアの高低差が小さい)になってるらしいけど、こいつ、フロア自体が高いものだから、ポジションはそれほど「立って」ないのに、アイポイントは高い。なるほどね。個人的に、フロアと座面の高低差がでかい「立った」ポジションは大嫌いなんだけど、アイポイントが低いと運転しにくいというのも分かる。これはアイポイントの高さとスポーティ気味のポジションをうまく両立している感じがする。「立った」ポジションにしてしまえばもっと後部スペース稼げるのにね。でもそれでいて後席やラゲッジの広さを犠牲にしていないパッケージングは賞賛に値する。実際後部座席もクラスの割に広いと思う。ボンネット短いし、プント2みたいに横腹がぼてっとしたぽっちゃり体型でなおかつ3ナンバーだから広くて当然かもしれないが。ステアリングはテレスコとチルトで違和感のない位置に合わせられる。個人的な好みで言えば、テレスコ調整で一番手前にしても、もうほんのちょっと手前に持ってきたいなーとは思うものの。そして…

■ペダル

ここ最近自分の中で気にしすぎている感のある、ペダル配置。左ハンドルの国の欧州車FFコンパクトの右ハンドル仕様という役満全部乗せフルスペックだが、確かに多少ペダルが左に寄ってはいるけど、ATだし、特に違和感もなく良好。左足ブレーキで乗るにはむしろちょうどいいくらいの配置。アクセルとブレーキの高低差もしっかり取られてて(ATだからあまり関係ない気もするけど個人的には好き)、これ、なかなかいいんじゃない?難点を言えば、アクセルペダルのすぐ右上らへんのフロアが一段盛り上がっているので(おそらくタイヤハウスの影響)、アクセルペダルに自然に足を置いた状態で深く踏み込もうとすると、ペダルからはみ出した足先がそこに当たってしまい、奥まで踏み込めない。踏み込むためには意図的に足を手前にずらして、つま先でグイッと踏まなければならない。ある意味なんというセーフティフィーチャー。あと、小さいながらもフットレストがちゃんとあるのは評価するが、表面がフロアのカーペットのまんまでプレートのオプション設定すらない(シトロエン千葉で工場長の手作りのプレートを販売しているが、ふつうメーカーの仕事だろそれ)というやる気のなさに加え、なんか位置が高いというか、手前にありすぎ。運転していると左足だけ膝が立って違和感のある姿勢だが、ブレーキペダルとの高低差を考えるとこうなるのか??そう考えるとブレーキペダルが随分と自分に近いようにも思えてくる。もしかして、タイヤハウスのせいでアクセルペダルを深い位置に置けない→アクセルとの高低差をつけるためブレーキペダルが更に浅い位置へ→それに合わせてフットレストも異様に浅い位置になった、つまり、ペダル全体が手前に来すぎているのでは?だからステアリングも若干遠く感じるのかも(あくまで想像)。ちなみに同じDS3の右ハンドルMTも座るだけ座ってみたが、こちらはフットレストがまあまあ深く、特に違和感はなかった。というか、かなりよく出来ていた。クラッチを踏むときつま先がクラッチペダルのアーム?に当たるのだけが気になったが、右ハンドルとしては優秀と思う。だからこの4ATのフットレストの配置はやっぱりおかしい。

■エンジン

さて、走り出す。と、「これ本当に1.6LのNA??」と思うほど、非常に力強いエンジンである。アクセルの踏み始めからグワッと加速していく。まあ(当時の)一番力のないグレードとは言っても、この軽い車体(1100kg)に120PSという数字は、同じ車重に1.75LのNAで130PSのプントHGTと比べても見劣りしないし、10年以上も若いことを考えたら当然なのかもしれない。…が、確かに力強い加速のエンジンだが、それも最初だけで、そこから更にアクセルを踏み込んでみると、エンジン音ばかりがグオーン!と頑張ってる風の音(特段良い声色でもない)を出すだけで、あんまり、というか全然伸びない。あくまで2,000~3,000rpmくらいの実用域にオイシイ部分を持ってきた、至って常識的で真面目なエンジンのようだ。誰もが「いや~楽しくてついついぶん回しちゃうよー」となる環境破壊推進型のイタリア車エンジンとは根本からして違う。だから楽しくないのではなく、オイシイ回転域をうまく繋げてギアを選ぶ作業は、それはそれでなかなか楽しい。そして、日常的なスピードで走ってるときは常にその状態なので、常に楽しい。色気はないかもしれないが、これはよく出来たエンジンだ。さすがBMWミニとプジョーとシトロエンとメーカーを跨いで幅広く使われるエンジンだけある。

■トランスミッション

で、そんなエンジン以上に面白い、AL4と呼ばれる4速AT。いまどき4速って…。2002年デビューの初代アテンザでさえ、4速ATは時代遅れだって叩かれて、マイナーチェンジですぐ5速ATになったというのに(4WDだけは最初から5速だったし)。それから10年経ってますよ。まあオートマチックなんて一握りの特別な事情のある人しか乗らないヨーロッパだけあって、開発に金も力も注いでないんだろうなあ。と思ったけど、シフトショックは極めて少ないし、シフトダウン時もしっかり回転を合わせてくれてスムーズに繋がるし、実はなかなか良く出来ている。減速時に積極的にシフトダウンしてくるのも国産車にはない(と思う)素晴らしい点。シフトダウンしてもエンジンブレーキは実はあんまり利かないんだけど、加速に転じるときにいちいちキックダウンを待たなくていいというのは大きなメリットと言える。…けどさ。Dレンジで走ってると(変速のタイミングは運転者の踏み方を学習して随時変更しているらしいが)、60km/hを超えても4速に入らないのね。つまり、一般道を法定速度で走っている限り3速ATなのである。たった4速のギア比で欧州的スピードレンジ(50km/h制限のパリ市内から、ドイツのアウトバーンも走る可能性を当然考えているだろう)をカバーしているのだから仕方ないのかもしれないが、巡航状態に入ったら何km/hであろうとさっさとトップギアに入れたい人からするとちょっとなんだかなーと思う設定だ。それよりも更にシフトアップしない「スポーツモード」(100km/hまで3速で引っ張るらしい)のスイッチまであるのだから恐ろしい。しかし、マニュアルモードで操作すると、48km/hくらいで4速に入ってくれる。これならギリギリ低回転走行したい人にもひと安心。しかし、ちょっとでも速度が落ちると(45km/hくらい?)すぐ勝手に3速に落ちちゃうものだから、また手動でアップしないといけない。シフトショックが少ないから、このくらいの速度域で市街地をずっと走る場合、4速に入れたつもりが気付いたらいつの間にか3速になってて、手動で4速に上げるも、またいつの間にか3速に落ちてる…といのを延々と繰り返すことになる。

あと、マニュアルモードは、瞬時にシフトアップする…ように見せかけて、状況によってタイムラグが発生するようだ。例えば1速で2,000rpmを超えたくらいで早めに2速にアップすると、メーター内の表示は即座に「2」に切り替わり、タコメーターの回転数が落ちて、すぐに2速に入った…と見せかけて、その後加速とともに一度回転が上がる素振りを見せるのに再び回転が落ちて、もう一度上がり始めるところでようやく本当に2速に入る仕様のようだ。シフトショックを軽減するためマニュアルで言うところの半クラ状態が長いのか、ロックアップへの切り替わりか何かなのか…。実際シフトショックはないので乗ってても気にならないけど、タコメーターを見ていると、間にもう一段ギアがあるかのような、非常に不可解な動きをするのが気になる。後から検証したところ、この「間にもう一段」現象は、1速→2速トルコン→2速ロックアップ、という動作のようだ。で、2速に入ってからロックアップされるまでに時間が掛かると。しかも、2速ロックアップになってからでないと3速に上がってくれない。これにより、ギリギリ低い回転数でポンポンとシフトアップしようと思うと、妙にタイミングが難しかったりする。明らかにそぐわないタイミングでシフト操作しても拒否される(特に音や表示は出ず、単に変速しない)のだが、ビミョ~な回転数のときにシフト操作すると、表示も切り替わらず変速もせず、ああ拒否られたのかな、と思ったら2秒くらいのタイムラグを置いて突然ショックを伴って切り替わったりするからびっくりする。この、拒否られたかなと思った時にもう一度シフト操作していたりすると、遅れて一気に2段アップしちゃったりすることもあるし。(マニュアルモードで)スムーズな走行を心掛けるなら、常にタコメーターとにらめっこをして、最適なタイミングでシフトアップをしていかなければならない。2,000rpm前後でシフトアップできるが、ふつうに小気味良く走るなら2,500rpm前後を狙ってアップするくらいがいいかもしれない。

それから、マニュアルモード時に限らず、2速や3速で比較的低い回転数のとき、たまにクラッチジャダーに似た、ガクガクとぎこちない動きを見せることがある。ロックアップ状態のまま回転数が下がりすぎたとかかな?どうも低回転は苦手らしい。常に積極的にシフトダウンする仕様なのはそのためもあるのかもしれない。実際、この自動シフトダウンのタイミングが絶妙すぎて、手動でシフトダウンすると、ちょうど同じタイミングで自動でダウンしようとしていたところに手動の操作も別途律儀に受け付けてくれて、若干のタイムラグの後に3速から一気に1速に落ちてガクンとエンブレ利いてびっくりー!なんてことが多々ある。本当によくある。手動で「いまダウンしたい!」と思うタイミングと、自動でダウンしてくれるタイミングが、ぴったり同じなのだ。スゴイ。なので、シフトダウンは下り坂などで強めのエンブレが欲しい時に限って使うようにして、減速時は基本的に自動に任せた方がいいかもしれない。極力自分の意志で操りたい人には不満もあるだろうが、そういう人はまず3ペダルMTを選ぶだろう。

というわけで、ATにも関わらず、マニュアルモードでタコメーターを見ながら積極的にシフト操作をしていくと、このトランスミッションは面白い。決して出来が良いとは言えず、クセが強いから、逆にそいつとうまく呼吸を合わせて使いこなすという楽しみが生まれる。だからさ…このガタガタで剛性感のかけらもないシフトレバーはダメでしょ。それに、ゲート式ATのパターン、どう見ても左ハンドルのままだよね。「P」から動かすときは、誤操作を避けるためか力の入れにくい「体から離す」方向に操作するようになってるのが鉄則のはず。慣れればどうってことないけど、いかに右ハンドル車が手抜きであるか露呈するポイント2である。フランス様がクソ忌々しい英国野郎のために仕方なく作ってやってる右ハンドル仕様の、更に欧州では全然需要のないATだもんね、仕方ないですよねー。

(2014年で見ると、シトロエンの年間販売が118万台くらい。うち、右ハンドルの英国が10万台弱。ヨーロッパのATのシェアが1割強として、右ハンドルATはおよそ1万台。ちなみに日本での販売台数は2,000台かそこら。そりゃあ右ハンドルATなんて本気で開発する気にならないのも当然だわな。)

というか、そもそもこのATシフトレバーユニットって、プジョー207や先代C3から208、このDS3までずーっとそのまんま使いまわしてるでしょ??ひどいな。AL4自体はもっと古いユニットではあるが。自社開発だからって物持ち良すぎだろ。あと、(現行のETG5とは違ってこのAL4はパドルシフトがないので特に)レバーの+と-操作が逆(BMW、マツダ、フィアット系を正と考えた場合)なのは、やはり自分的には許容し難い。これについては実は配線のごくごく簡単な加工で変更できるのが判明している(というか後日実施した)のだけどディーラーでは当然そんなことやってくれないだろう。

■取り回し

ハンドリング。が分かるようなワインディングは走っていないので、街中での取り回し。最小回転半径5.4mは国産と比べると全然だが、FFとしては鼻先も長くないし、必要十分。電動パワステはアホみたいに軽くて、路面の感触も何もあったものじゃない。国産コンパクトより軽いんじゃないのコレ。更にロックtoロックが3.1回転くらいある極めてダルな設定は、鋭角の交差点を左折して、素早くハンドルを戻しながら加速するときとか、タイヤの感覚が分からない上に回す量が多いから、慣れるまでは戻し遅れたり、戻し過ぎたりしがちで、スムーズな操作が難しい。自分の運転がいかに、極度に、超絶下手なのかが思いきり露呈してしまう。イカン。でも、微妙な舵角の調整がしやすいということでもあるので、一度慣れてしまえば、狭~い路地をくねくねとゆっくり進んでいくのとかやりやすいだろうし、高速での直進性も良いのだろう。このあたりスポーツシックやレーシングは味付けが異なるのかどうか気になる。

とりあえずそんなところ。ぜひ高速道路やワインディングも走ってみたいけど残念ながらそんな機会があるかどうか。


似てるものシリーズ4

一部のクルマ好きの中で話題の新型アルト。のターボRSって、どう見てもターミネーター(T-800)をモチーフにしてるよね。

アルトターボRSとターミネーターT-800 残念ながら車両の前側に赤色の灯火類を付けることはできないので、画像のような赤目は実現できないが、赤く光るんじゃなくて、ライト不点灯時に赤色に見えるようにする(プロジェクターレンズの上に光を透過しない素材の赤いメッシュをかぶせるとか、レンズ内部のプレート等を赤く塗るとか)という方法であれば、ライト点灯時は問題なく白色の光が照らし、消灯時は赤目に見えるようにできる…かも。誰かがやってくれることを期待。

アルトターボRSとアバルト500と911 GT3 RS なんでもいいけど、最近各社とも(国内メーカーに限らず)バカのひとつ覚えみたいにミラーの色変えるのいい加減やめてくれませんかね?んで、ミラーとホイールの色を揃えるの。もしくはサイドストライプ。あるいはルーフも。誰が最初に始めたとか言うつもりはないが(大昔からあったことでしょ)、そういうのはBMWミニとアバルト500とシトロエンDS3でもう十分。個人がカスタムでやる分にはいいが、メーカーがこぞってそれをやっちゃうのって、「私どもには想像力がありません!」と宣伝して歩いているようなものだ。

↑アバルト500は純正では赤ホイール履いてないけどね。



日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 9

9。これで最後。

日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ?
日本は左側通行・右ハンドルと決まってるんだから、そこで敢えて左ハンドルに乗るなんてアホ以外の何物でもない。日本人らしく秩序を守って周囲の人に合わせなさい!自国の文化を尊重しなさい!ということ。

確かにフツーと違うものは叩かれる日本だが、左ハンドル車に乗ること自体は合法なので後ろめたいことは何もないわけだし。理解されなかろうが笑われようが、非難されるいわれはない。それに文化っても、確かに日本はサムライの時代から左側通行だった説もあるけど、自動車が左側通行・右ハンドルになったのって、結局は英国に倣ったからでしょ(一説では)。

逆ハンドル車を原則禁止している国が多いというが、じゃあ同じ左側通行の(元祖かもしれない)国、英国はどうなんだろう。右側通行・左ハンドルのフランス(というかヨーロッパ大陸)と車が往き来することがあるわけだから当然ながら相互に乗り入れ禁止なんてことにはなりようがないのだが、一時的な乗り入れだけでなく、英国でも左ハンドル車を永久登録して乗ることはできる。「世界のありとあらゆる左ハンドル車を貴方のもとにお届けします!」なんて業者もあるみたいだから、一定数の需要はある模様。ただし英国で左ハンドル車に乗ろうと思うと税金がとんでもなく高いよ、なんて書かれているのをどこかで見たが、「新車から6ヶ月未満、走行6,000km未満の車だと持ち込み(輸入)時に税金が掛かるよ」という記述しか発見できなかった。その場合を除けば左ハンドルでもコストは別に変わらないのでは。逆に、左ハンドルの方がマーケットが広いから中古車だと同一車種でも安く手に入る場合があるらしく、時に価格面でのメリットもあるようだ。でも、例えば「大陸に住んでる間に乗っていた愛車を英国に移っても乗り続けたいから」という理由で持ち込んだり、「大陸と英国に半々で住んでるから英国で乗る車も左ハンドルに統一しておきたい」とかはあっても、生粋の英国人でわざわざ好き好んで左ハンドルを選ぶ人はあんまりいなそうな雰囲気。あるとすれば、欲しい車種(デルタインテグラーレとかね)に右ハンドルモデルが存在しないから仕方なく、くらいだろうか。

英国人は自国の自動車文化に強いプライドのようなものを持っているように見える。自動車文化は自らが築いたものであり、それは左側通行・右ハンドルが本則。右側通行なんてクソ忌々しいフランス野郎(ナポレオン)が英国に反発して始めただけのひねくれた行いが広まったものだし、右側通行の国だって最初の頃は右ハンドル作ってたじゃん。と思ってそう。ちなみに想像なので実際のところは知らん。

BBCトップギアでジェレミーはことあるごとに、ハンドルが右側(right side)にある自国の車に対し、左ハンドル車のことを「ハンドルが間違った側(wrong side)についてる車」と呼んでる。ランチアの特集回では、デルタインテグラーレを本当に素晴らしい車と褒めちぎったリチャードが、「でも、ほら、左ハンドルしかないんだよね…」と、心から残念そうにつぶやくのが印象的だった。スマートクーペかなんかは右ハンドルの方が新車販売価格が高かったらしく、ジェレミーが「ハンドルが正しい位置に付いていることになんで追加料金を払わにゃならんのだ」とブチ切れていた。また、パドルシフト嫌いのジェレミーがガヤルドか何かのインプレで、「こいつはパドルシフトなので、時々イラつくこともある。例えば、駐車するときとか。普通のMTも選べるけど、それだとクラッチペダルが付くので、左足の置き場所がない。つまりは、常にイラつく。」と語っていた。右ハンドルであるが故のペダル配置の悪さに言及することはあまりないが、やっぱり悪いものは悪いと思っているらしい。左ハンドルにしたら一気に解決する問題だと思う(ミッドシップの場合、左ハンドルは逆にペダルが右に寄りすぎている可能性が高いが、3ペダルMTだったら基本的にアクセルもブレーキも右足なので、左に寄りすぎているよりは害が少ない)けど、それでも右ハンドルが当たり前であり、左ハンドルなんてそもそも眼中にないのは、「自動車は右ハンドルであるべきだろ」という強い思想が大前提としてあるからに他ならない。ペダル配置の多少のズレなんていう「些細な問題」のために左ハンドルを選ぶなんて、縦書き原稿用紙に読書感想文を書くのに手が汚れないからというだけの理由で左側から書き始めるくらいおかしいことなのだろう。

じゃあ日本はというと、海外に合わせて(?)あっさり公文書を横書きにしちゃったくらい自我に欠ける(良く言えば柔軟性のある)民族なので、たまたま現状英国に倣って左側通行・右ハンドルになっているものの、右ハンドルであること自体には何のこだわりもないのだろう。戦後米国の手によって右側通行・左ハンドルになっていた可能性も十分あったわけだし。そうならなかったのは予算とかの現実的な問題が理由なわけだし。たぶん。世界に誇る自動車大国の日本が左ハンドルになっていたら、世界の自動車情勢が大きく変わっていたかも。

まあ柔軟なことは良いことなので、左ハンドルに乗りたければ乗ればいいでしょう。…ただし。どうして左ハンドルなのかという理由を明確に言えること(アホはアホでもただのアホじゃないと言える根拠)。けどそれを他人に言ったところで理解してもらえないであろうことをあらかじめ分かっておくこと(やっぱりただのアホとしか思われないであろう覚悟)。そのへんは必要と思う。

ヘッドライトコンバーター1 ヘッドライトコンバーター2
蛇足。英国の右ハンドル車(左側通行用)を右側通行のヨーロッパ大陸に持ち出す場合(逆もまた然り)は、ロービームのカットが逆であることで対向車を眩惑させないようアダプターの装着が必要。アダプターと言っても配光が上向き気味になってる部分(本来路肩側だが対向車線側を高い位置まで照らしてしまう)を遮るようにシールを貼るだけ。147の純正HID装着車(GTAなど)のプロジェクターレンズは、ライトユニット内の切り替えレバーを倒すだけで、簡単に左上方向の光をカットしてフラットにすることができる。なんて親切な装備!でもバンパーを外してライトユニットを外して裏面カバーを開けないとレバーに手が届かないという噂も。

日本はというと、車検の光軸検査はハイビームが合ってれば通ってしまうので、仮にロービームのカットが逆でも見逃されてしまいます(本来はもちろんダメ)。そういうわけで、並行輸入車だとカットが逆のままだったりする可能性も…。後付けHIDで光軸合ってないのと同じで迷惑であり危険。なんとかしましょう。そういえば以前、タクシー(コンフォート)に後付けHIDを装着して、ヘッドライトの「上半分」を段ボールで覆って走ってるのを見たことがあるのだが…。どこからツッコむべきか。

あと、「HID」と入力すると「HIDEOUS」と予測変換するのやめてくれよ。


日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 8

第8弾。途中から「日本で」とか全く関係なくなっているが…気にしない。

右ハンドルMTはシフト操作がしづらい?
2ペダルMTどころかそもそもシフトレバー自体が存在しないパドルシフトの車なんかが増えてきて、いずれ北米・日本に限らず絶滅危惧種となりそうな感のあるHパターンフロアMTだが、実はこれの起源は知らないしちゃんと調べていない。けど、右ハンドル・左ハンドル両方のMT車にじっくり乗ってみて、やっぱり、右ハンドル車のHパターンMT操作はどこか違和感があると気付いた。シフト操作の中で一番やりにくいのは、レバーを自分の体から離す横方向の動作。力が入れにくい。左ハンドルだと、この方向に力を入れる必要があるのは基本的に4速→5速にシフトするときだけである(あとパターンによってはリバース)。通常走行で5速に入れるときなんて、ほとんどの場合は加速をやめて巡航に入る瞬間だから、素早い操作は要求されない。ところが右ハンドルだと、ニュートラルから1速に入れるときもだけど、何より3速→2速のシフトダウンが「体から離す方向」になるのが、市街地走行でもスポーツ走行でも頻度が高いだけに一番問題となる。このHパターンの配置ってやはり右手で操作することを前提に決めたんじゃなかろうか。つまり左手でシフト操作する右ハンドル車は本来なら逆(鏡像)パターンであるべきなんじゃないだろうか。

BMWイセッタの左ハンドルはシフトノブが左手側にあって鏡像パターン(自分に近い側がローギア)だし、コラムMTのシフトパターンも右ハンドル・左ハンドルでは鏡像状態で、どちらも自分に近い側がローギアなのだそうだ。あと、今さらちゃんと調べるのが面倒なのでうろ覚えだが、BBCトップギアの「“今の車”の操作体系の源流になった車種を探せ」みたいな回で映った、右ハンドルで左手でHパターンのシフト操作をする車も、自分側がローギア、つまり鏡像パターンだったような気がする(追記あり)。なのに現在のフロアMTだと一切の例外なく右ハンドルでも左ハンドルでもパターンが同じ。これはオーソドックスなFRの縦置きミッションだとレバーとミッションが直結してるから、パターンを変えるとなると構造変更が容易ではないし、わざわざ着座位置によってパターンを逆にするほど不自由を感じることはないためになんとなく統一されちゃってそのままISOとかで規格化されたんじゃないかなと想像している。どうせHパターンMTなんて遠からず消滅してしまうだろうから、今更どうしようもないし、どっちでもいいだろう。パドルシフトの場合は右が+で左が-というのが完全に定着ているようだが、これも当然右ハンドル・左ハンドル共通だよね。これはペダル配置と同じでわざわざ鏡像にする理由がないが。

あと、左足クラッチ・右手シフトの連携が人間の体の構造的に理に適ってるという話もあるが真相は不明。根拠はないけど感覚的にであれば言わんとするところはなんとなく分かる。

実は、シフトは右手で操作するのが本則なんじゃないか?という説には有力な根拠があって、まず、マニュアルシフトだった時代のF1はみんな(…かどうかは知らないが)右手側にシフトレバーがあった。ル・マンを走った伝説の4ローター、マツダ767も右ハンドルなのに右手側にシフトレバーがあるようだ。それに、知る人ぞ知るセンターハンドルのスーパーカー、マクラーレンF1も、シフトレバーは右側だ。これはもうどう考えても「右側が基本」で決まりでしょ。一般的な右ハンドルの乗用車のシフトレバーが左側なのは、FR車の場合センターにあるミッションからそのままレバーを生やすのが理に適っていたからというのと、FFのようにワイヤーシフトであっても、ドア側にシフトレバーを生やすスペースがないという現実的な問題が理由なのでは。だからそういったことに縛られないレーシングカーやスーパーカーは右手シフトなのだろう。ラリーカーが軒並み左ハンドルなのも、開催国や選手の出身国がどっちだとかの理由の他に、もしかしたらシフトレバーが右手側にあるから、という理由もあるのかもしれない。

そうなると、シフトレバーを右手側にするのは、人間の大多数が右利きだから、利き手で操作できるように、という理由が絡んでると考えるのが普通だが、この点はちょっと引っかかる。右手がシフト操作を受け持つということは、ステアリングは左手に依存する時間が長くなるということだが、シフトレバーが単に決まった位置にレバーを動かすだけなのに対し、ステアリングは動き自体は単純だが、コーナーの深さや車の挙動に合わせてシームレスに繊細な操作を要する。これって、ギターを弾くのに似ていないか。右利きの人がアコギをストロークでかきならす様を見ていると、一見コードを押さえる左手の方が複雑で難しい動きをしているように見えるが、実際は、単に決まったフレットを押さえるだけの左手より、弦を弾く強弱やタイミングといった音色を決定する繊細な動きを担う右手の方が重要で、利き手で弦を弾く方が理にかなっているわけで。だからレフトハンドのギターは右手で弦を押さえて左手で弾く。そう考えると、非利き手側にシフトレバーがあった方がいいんじゃないかとも思えるのだけれど。どうでしょう。

参考:
STREET LIFE アリヴェデルチ 第8回 「やっぱり左ハンドル」No2
【左手】 MTシフトパターン考察その① 【右手】

けど、実際のところ右ハンドルのMT車に乗ってても、それが不自由だとは特に感じないんだよね。5速巡航時にレバーが自分に近いのもなんとなく落ち着くし。左ハンドルと比較して初めて、ああ、どちらかと言えばこっちかな、という気がした程度。逆に、147の左ハンドルに乗ったら、なんだか4速→5速が妙に入れにくいな、と感じた(バルケッタでは感じなかった)。自分から離れる方向かつ進行方向にレバーを押すのがやりにくい。右ハンドルだったらニュートラルからローに入れる動作がこれにあたるけど、これは基本発進時のみだし停止中だからまだいい。左ハンドルの4速→5速は走りながら操作しなければならない。これだったら右ハンドルで3速→2速の操作を我慢したほうが(我慢するというほど不便ではないが一応)まだ快適なのかも、とさえ思った。ところが、シフトノブを一回り大きい物に交換したところ、この4速→5速の入れにくさがたちどころに解消してしまった。そして、やっぱりどちらかと言えば左ハンドルなのかな、と逆転。まあようするに、その程度の差でしかないということだ。

その程度の差でしかないので、競技目的でなければ、これだけのためにわざわざ左ハンドルを選ぶことはないと思う。

ついでに。Hパターンシフトのギア配置は、上(=進行方向のことね)がローギア、下がハイギア、左がローギア、右がハイギア、というのが基本。3速より2速の方が下にあるじゃないかって?そこは列が変わるから左右方向の動きにカウントしてください。レーシングカーのシーケンシャルミッションの「下がシフトアップで上がシフトダウン」というのもこの基本に沿っている。メルセデスのマニュアルモードの「右がアップで左がダウン」というのもだし、パドルシフトの「右がアップで左がダウン」というのも、ちゃんとこれに倣っている。だったら、フロアシフトATや2ペダルMTのマニュアルモードも、BMW、マツダ、フィアットグループのように、下がアップで上がダウンの方が良いに決まってるじゃないか。ポルシェ(VWグループ)をはじめとする上アップ下ダウン派は何をやっているんだ??「今でも上アップ下ダウンが多数派だろ」と言う人もいるだろうが、マツダもフィアットも、途中からわざわざ変更したという事実がある(操作方法を逆にするって、とてつもなく大きな決断だと思うよ。それまでの製品をある意味否定することになるわけだし)。従来のAT操作の延長である「下がダウンだろ」という考えの呪縛から、ようやく逃れようとしてきているのである。とか言ってる間に、冒頭に書いたとおりシフトレバーが消えつつある。


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日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 7

第7弾。

右ハンドルはウィンカー操作がしづらい?
わりとどうでもいいことに思えるけど、輸入車(この場合やっぱり英国車も含むのかな?)の右ハンドルを非難する人が頻繁に引き合いに出すのが、ウィンカーレバーとシフトレバーが同じ側にある、という問題。だから左手ばかりが忙しいし、シフト操作しながらウィンカーを出すことができないし、それによってどちらかの操作が遅れる。これは構造的欠陥である。よって輸入車なら左ハンドルの方が優れている。だから輸入車なのに右ハンドルを選ぶ奴はアホ。そんなに右ハンドルに乗りたいなら国産車に乗ればいい。と。はぁ?

だいたいウィンカー操作なんてコンマ数秒の話だし、左手がハンドルとシフトレバーの間を往復するついでにウィンカーも操作すればいいんだから、言うほど悪いこととは思えないのだけど…。右手がステアリング操作に集中できるし。この点に不満を言う人は、同じ手でシフトとウィンカーを操作することすら煩わしいと思う極度のめんどくさがりか、シフト操作だけで手一杯で同じ手ではウィンカー操作もできない不器用さんか、ウィンカー操作によってコンマ数秒でもシフト操作が遅れると困るほど常に公道バトルしてるのだろうか。もしくは仁DでS2000を駆るおっさんか。

だいたいそれじゃあ英国車全否定になっちゃうじゃないか(一応書いておくと、ISO規格でウィンカーレバーは左側と国際的に決められているので、英国で走ってる車(日本車も含め)は右ハンドルだろうとウィンカーは左側。日本は数少ない例外だそう)。まあ半分あるいは大多数はネタで言っているのかもしれないが、そしてATやパドルシフトになった途端に消滅してしまう程度の問題だが。でも、なんで左側なんだろうね。ISOで決まってるとか、JISで決まってるとか、そんなのは理由にならない。なぜそう決まったのかが知りたいのだけどそこまで調べる気力がない。デファクトスタンダードとかいうやつ?

結論としては、わりとどうでもいい。右ハンドル右ウィンカー、右ハンドル左ウィンカー、左ハンドル左ウィンカー、ぜんぶ乗ったけど、この点だけに関して言えば、自由に選べるならどれにする?と聞かれても困るレベル。

プントはステアリングを社外品に交換して、クイックリリースやスペーサーで随分と手前に持ってきていたので(テレスコピック調整なんてハイテク装備ありませんよ)、ハンドルを握ったままではウィンカーレバーに全く指が届かなかった。つまり、ウィンカー操作のためにはハンドルから手をはなす必要があった。そうすると、シフト操作でどうせハンドルから離れる左手でついでにウィンカーも操作できるのは実に都合がよかった。もしこれが左ハンドルだったら、シフトとウィンカーを同時に操作しようとすると両手ともハンドルから離れちゃうから、どのみち安全に操作できないからね。…こんなイレギュラーな例を挙げてもしょうがないか。


日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 6

ねじ曲げ第6弾。

右ハンドルは重量バランスが悪い?
横置きエンジンはエンジンとミッションが横並びになる関係で、縦置きエンジンと比べて必然的に設計段階での左右の重量バランスが狂いやすい。そこで、より重たいエンジンが運転席の反対側にくるようにして、どうしても重くなってしまう運転席側(ステアリング関係、ペダル関係、メーター関係が集中するから)の重量と相殺して左右の重量バランスがなるべく合うようにしている。…らしい。確かに、左ハンドルの国の横置きエンジンはざっと見た限りみんな右寄りにエンジンがあるように見える。国産車だと両方のパターンがあるっぽい。例えばシビックだとB16エンジンは左寄りで、K20エンジンは右寄りのようだ。ちゃんと調べてないけど新しい年代の方が右に寄ってる印象。国産車でも左ハンドルの国での販売台数が多い車種だと最初から左ハンドルを基準に設計しているとも聞くから(モーターショー出展のコンセプトモデルは左ハンドルだったりするし)、輸出の増加に伴ってエンジンが右に寄ったと考えれば、一応筋は通っているようだ。ちなみにFFコンパクトの世界代表・オールドミニはエンジンの下にミッションがある構造だと思うが、ほぼ中央に載ってるように見える。ここまで全部不確かな情報。

というわけなので、左ハンドルの国の右ハンドル仕様は、右寄りなエンジンの配置はそのままに操作系の重量も右に移動しているのでどうしても右側が重く、更に運転席に一名乗車となるとかなりバランスが悪くなるという。これは欧州車の軸重を実際に多く量っている工場で聞いた話なので事実だろう。え、その理屈だと右寄りエンジンの国産車も右ハンドルの方がバランス悪いということになるのだが。が、仮にそうだとしても、それってそんなに問題になるのだろうか。「右側が重いから、急ブレーキのときの挙動にクセが出て危ないんだ(ドヤァ)!ということを言っている人がいるが、車が寸分の狂いもなく完全な直進状態で、荷重の偏りがなく、アラインメントも完璧で、左右のブレーキバランスも完璧で、左右のタイヤと路面との摩擦抵抗も全く同じで、かつ路面が左右どちらにも傾いていない状態なんて普通に考えてそうそうあるわけでもないし、重量差だけの影響が挙動に出る場面なんて果たしてあるのだろうか、あったとしてそれがいかほどのものか、と思うのだけどどうだろう。

サーキット走行とかシビアな状況でならそのへんも影響が出てくるのか知らないが、それなら他の部分のセッティング次第でニュートラルになるように補完できそうな気もしないでもない。スプリングの強さが左右で違うとか車高をわざと傾けるとかはあるようだし。ブレーキは…ラリーカーで前後のブレーキバランスを走りながら調整できるのは聞いたことがあるけど左右って聞かないなぁ。自在に調整できたらブレーキだけでコーナリングできそう。というかちょっとでも狂ったら簡単にスピンしちゃうのか。でもブレーキパッドの減りは現実問題として必ずしも左右均等じゃないみたいだし…それは今だったら電子制御でブレーキを左右独立してコントロールとかもしてるから当然なのか。よく分かりません。

少なくとも公道を普通に走るだけならそこまで気にしなくても良いのでは。いくら手抜きメーカーでも、常識的な走り方の範囲で危険な挙動が出るほど重量バランスの悪い車を売り出したりはしないでしょう。もしちょっとした重量バランスの崩れがそんなに危険というのなら、体重が重い人が片側に乗っただけで危険ということになってしまうのでは。ああ、そういえばエンジンが右側にあって極端に左右重量バランスの悪いベスパはコーナリング特性が左右で全然違うなあ。右に比べて左に曲がりにくくて(バンクさせにくい)、乗り始めの頃、峠の左ヘアピンで対向車線に突っ込みそうになった。

BMWあたりで「右ハンドル車は重量バランスが悪いせいで右側の車高が下がってる~」なんて話もあったけど(本当かどうかは知らん)、見た目にこだわりたい気持ちなら分かる。シトロエン2CVなら運転席側に傾いて走ってたらかわいいけど、今どきの車で傾いてるのはちょっと、という。ローダウンしたり大径ホイール入れるような人は特にフェンダーとのクリアランスを気にするので、1cmや2cmは言うに及ばず、たった数ミリの差も気になっちゃったりするのはよく理解できる。そもそもバネなんて生物だし他にも色々な要因が考えられるから新車時でも1cmくらい平気でずれてる気がするけどなあ。どうしても気になるなら車高調でも入れて合わせればよい。けど、車を完全に水平な場所に停めること自体なかなかないし、サスやタイヤのフリクションもあるので、完全に左右均等に調整できたとしても、その状態を見て悦に入ることが逆に困難なのでは。

まあ重量バランスの点だけで本国仕様(左ハンドル)をわざわざ選ぶのには無理があるでしょう。そもそも右ハンと左ハンを比較して測定したことある人ってほとんどいないのでは。メーカーも左右の重量バランスについては全然公表していないようだし、それこそ乗員の数や体重で簡単に逆転しちゃうからこだわっても意味ないのかも。プントHGTの場合、運転席一名乗車の状態で、リア左右はほぼ均等、フロントは右が65kg重かった。その差、総重量の5%。前輪軸重だけで言うと左右比は54:46。測定した工場の人いわく「右ハンドルのイタリア車としては優秀な方だねー」だそうだが、じゃあ出来の悪いイタリア車ってどんだけずれてるのよ…。量ってないけど空車状態だとおそらく左右差30kgかそこらになると思われるので、これがもし左ハンドルだったらと考えると…。たとえ体感できなくても、実害がなくても、「左ハンドルの方が重量バランスがいいもん!」と言って左ハンドルに乗ってる人のことを私は笑えない。かもしれない。

たぶん普通の人は笑う。


日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 5

自分なりねじ曲げ第5弾。

右ハンドルはペダル配置が悪い?
主にFFコンパクトでの話だけど、右ハンドル車は、タイヤハウスの張り出しのせいでどうしてもペダルが全体的に左にオフセットされていたり、アクセルペダルの位置が浅かったりして、不自然な運転姿勢を強いられることがある。更に、それが元々が左ハンドルの車種だと、右ハンドル仕様のペダル配置が煮詰められていないせいで、その傾向が更に強まるのだという。それは確かにそうなのだけど、車種による差がありすぎて、元々の設計がどっちだとか、ハンドル位置のせいだとかで簡単に片付けられない。例えば国産軽自動車なんかだと(ハイトワゴンや軽トラはともかくとして)壊滅的に左に寄ったペダル配置がわりとあったりするのだけど、コンパクトカーの世界代表・オールドミニは、(座ってみただけだけど)確かに狭いし左に寄ってるけど不思議と違和感のない配置にうまく収めてる印象だった。そしてニューミニの右ハンドルは、(座ったことすらないけど)ペダル配置に関してネガティブな要素は全くないらしい。今はBMWだから「元々」は左ハンドルだろうけど、一応英国ブランドだからむしろ右ハンドルに力を入れたのか?いや、純粋に設計が優れているのだろう。さすがドイツ車である。

ところが、イタリア車ときたら…。最新のジュリエッタでさえ、右ハンドル車はありえないペダル配置だ。MTだとフットレストがそもそも存在しないとか、アルファTCTだとクラッチがあるはずの位置に超巨大なフットレストがあるとか、手抜きにもほどがあるだろう。本当に右ハンドルの国で売る気があるのか??先にデビューした一回り小さいMiToの方がまだマシという謎。FIAT500だってセンターコンソールというかダッシュボードというかの下に切れ込みを入れることで小さいながらもフットレスをうまい具合に用意しているのだぞ。なぜにアルファがそれすらやらないのか。

他にも右ハンドル車はシートの中心とステアリングの中心がずれてるとか、シートが進行方向にまっすぐ向いていないとかもあるらしいけど詳しくは知らない。

マツダはGJアテンザで「エンジンマウント角度やクラッシャブルゾーンの見直しで、左にオフセットされない理想的なペダル配置を実現!」と謳ってるが、それ以前のGGやGHアテンザだって全く問題を感じない配置だった。車格が大きくなればタイヤハウスの影響は少なくなるからね。逆に大排気量のFR車なんかだと、右ハンドルに限らずセンタートンネル側の出っ張りが問題になることもある。シェルビィ(AC)コブラなんて、(写真で見ただけだけど)超巨大なセンタートンネルのせいで左ハンドルなのにペダルが笑っちゃうくらい左にオフセットされてる。BMWのM5(F10)の右ハンドル車は、(座ってみただけだけど)センタートンネルの張り出しが大きくて左足がまっすぐ伸ばせず窮屈な印象だったのを覚えている。まあそんなことを言い出してしまうと、ちょっと古いミッドシップのスーパーカーとか、右ハン・左ハンにかかわらずとんでもなくペダル配置がオフセットされてるとか普通だったみたいだし。

だから、つまり、車種による。バルケッタ(左ハンドル…この車は右ハンドルが存在しない)は、括り的にはFFコンパクトだけど2シーターということもあり、足元のスペースには余裕があった。不満がなさすぎてどんなだったか覚えてない。プント(右ハンドル)は、上下左右とも空間はミニマム。ペダル全体が微妙に左にオフセットされてて間隔も非常に狭くフットレストもないけど、少し乗れば慣れてしまうレベルだった。ところが長く乗ると慣れを通り越して細かいところが気になってしまい、結局ペダルを削ったりペダルカバーを加工してオフセットして付けたり角度スペーサー入れたり、違和感のない配置を実現するためにかなりの時間と労力を割いた。147(左ハンドル)は、特にプントと比べて上下方向の空間に余裕があるのが印象的だったが、相対的に左右方向はギリギリ及第点という感じ。ほんのちょっとタイヤハウスの張り出しが邪魔でクラッチが右に寄り過ぎかなーという感じがした。あとペダルの角度と高低差は良好なものの、ヒール&トーをやろうとすると踵がセンタートンネル側に当たってやりづらい。206(右ハンドル)は、ペダルの角度と高低差が明らかにおかしくて、ヒール&トーが物理的に不可能だった(ちゃんと見てないけどおそらく右側タイヤハウスの影響だろう)けど、左右方向の配置は及第点だった。ただクラッチを奥まで踏み込むと靴がステアリングシャフトの根元付近(シャフトそのものではない)に当たるのはどうかと思う。206(左ハンドル)は、ああこれが普通だよね、という感じの配置だった。左右方向のスペースには不満がない反面、上下方向の空間はギリギリ。このへんはコンパクトの宿命かもしれないが。

今どきの車はペダル踏むのに踏力なんて要らないし、特にAT車であれば、「ペダル配置がおかしくてずっと腰を捻った姿勢になるので腰痛になってしまった」とかがなければ、特に気になるポイントでもないだろう。ところが、MTだと、さすがに今どきの車はクラッチがめちゃくちゃ軽いけど、それでも腰を安定させて踏む必要があるので、クラッチの位置が横にずれてるのは問題だ。かといって、クラッチを適正な位置にしたがためにフットレストがないor小さいというのも、更に大きな問題だ。一般道ではコーナーで踏ん張りを利かせる必要は全くないけれど、加速減速よりも定速巡航する時間が圧倒的に長いのだから、クラッチ操作しないときの左足の居場所確保は重要だ。

個人的には、ドライビングポジション、つまり、シートに対して、ハンドル、ペダル、サドル…じゃなくてシフトノブの、2つのルと1つのブが適正な位置にあることが何より重要だと考えているので、というか、考えてなかったけど乗ってるうちに自分はそれが重要だと感じていることに気付いたので、右ハン・左ハンの両方が選べて、そのどちらかが許容できないほど、あるいは許容できたとしてもちょっと気になってしまう程度に出来が悪くて、もう一方だとそれが解消されるのであれば、ペダル配置を優先してハンドル位置を選んでもいいと思っている。けど、ペダル配置なんてその気になれば加工するなりで修正できてしまうので、加工が難しい場合に限り、と注釈をつけておく。どちらにしてもMTの場合ね。ATやデュアロジック、セレスピード、F1マチック、アルファTCT、ETG、DSG、PDK、SMG…などの場合だったら、許容できる範囲が広がると思う。たぶん。

まあ、これも「普通の人」には理解されないこだわりであることは間違いない。


日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 4

自分なりねじ曲げ第4弾。

右ハンドルはブレーキタッチが悪い?
右ハンドルは、じゃなくて、左ハンドルの国で作られた車の右ハンドル仕様は、という話。いわゆる「本国仕様」にこだわる人がよく持ち出すポイント。最近はブレーキマスターシリンダーの位置を変更していないなんていう手抜き仕様はあんまりないみたいだが、左ハンドルを前提に設計された車の右ハンドル仕様だと、ライニングの問題だか何だか知らないけど、往々にしてブレーキのフィーリングが良くなかったりするのだとか。けど元々ブレーキがスポンジーだったりカックンだったり出来の良くない車種もあるわけだし、同じ車種同じ仕様の右ハンドルと左ハンドルを同じ条件で乗り比べてみないことには、本当にハンドル位置に起因する差があるかなんて断言できない場合が多いだろう。そういう意味ではこれも車種ごとの差の延長でしかないし、仮に明確な差があっても、公道を普通に走るのに支障をきたすようなことはさすがにないだろうから、サーキット専用車ならともかく、ただそれだけでわざわざ左ハンドルを選ぶ理由には足りない気がする。日常的にスポーツ走行したい人とかでも、その気になればディスクやパッド、ホースなどのパーツ交換である程度補えるのでは。

とは言ってもこればっかりは。体験したことがないから何とも言えないけど、一昔前のイタリア車だったら「右ハンドル仕様は日常走行でも耐え難いほどタッチが悪い」なんてことも十分ありそうな気配が、ニオイが、プンプン。充満してるレベル。そう、イタリア車ならね。もし、現実に右ハンドル仕様のブレーキに体感できる違和感があって、左ハンドルだとそれが解消されるのであったとしたら。それが実用上なんの問題もないレベルだったとしても、あるいは比べないと分からないくらい微々たる差だったとしても、もしくはただそれが「存在する」ことを知識として知ってしまっていたとしたら、それがわざわざ左ハンドルを選ぶ理由たり得る気持ちも分からんでもない。というかよく分かる。車に乗ってブレーキを踏まない日はないわけだからね。日常の買い物用に軽自動車を買おうとしたとき、NAでもスーパーまで往復するのに何の不足も不満もないけど、走りのちょっとした「余裕」のために多少割高で燃費悪くてもターボモデルを選ぶ、みたいな感じかもしれない。車に乗ってアクセルを踏まない日はないわけだからね。せっかく、「右ハンドルも左ハンドルも乗れる」というある意味世界的にも恵まれた環境の国に住んでいるのだから、どっちも手に入って、比べてみて明らかに左ハンドルのフィーリングがいい!と思えるのなら、そのときは自信を持って左ハンドルを選べばいいでしょう。ただし普通の人には理解されないであろうということを十分に覚悟した上で。

…ていうか、「本国仕様が左ハンドルで、右ハンドルも左ハンドルも国内で入手可能で、なおかつ右ハンドル仕様のブレーキタッチが悪い車種」なんていうと、車種が特定されるはず、というか、もはや数えるほどしかない気がするのだけど、なぜかこの手の話って、特定車種のものではなく、一般論として語られてますね。どうしてでしょうね。実は「本国仕様こそ至高」と豪語している人のほとんどが、実際はその差を体験したことはなく、ただそう言われているからという理由で本国仕様をもてはやしているのかもしれませんね…。

かといって、「体感したことはないけど比べると良いらしい本国仕様に乗る満足感」のためだけに選んでしまう気持ちも分かるんだよな。本国(左ハン)仕様より右ハン仕様の方が出来が良い、という確率は極めて低いだろうから、実際差がなかったとしても少なくとも逆に良くないってことはないだろうという考えもあり。あと、良い悪いではなくて単にオリジナルにこだわる心理から本国(左ハン)仕様を選ぶというのもとてもよく理解できるし。って、もはやブレーキの話じゃなくなってしまった。

プントのブレーキは評論家には酷評されていたが、フツーに走る分には制動力もコントロール性も申し分なかった。が、ちょっとばかり攻めた走りをして強めに踏むと、その先が全然効いてこないんだよな。こりゃスポーツ走行する人なんかには不満が出るだろう。でもこれは右ハンドルであることが原因じゃないよね。


日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 3

自分なりのバイアスでねじ曲げる第3弾。

左ハンドルは危険?
そりゃ日本国内は全てが右ハンドル前提に設計された世界だから、左ハンドルでは場にそぐわないこともあるだろう。それが不便というレベルを通り越して、危険な場合もあるという話。たいてい具体例として出されるのは、「狭い道で停車中のバスを追い越しにくい」というのと、「右折レーンで対向の直進車が切れたかどうか見にくい」のふたつ。確かに、バルに乗り始めたばっかりのときはよくそんなふうに感じたものだ。左ハンドルの白いSクラス(W140)が停車中のバスを追い越そうとしてセンターラインから車体半分も出たところで「やべ、対向車来てた」って慌てて戻る(のだけどバスに寄り過ぎてて戻りきれない)シーンも幾度となく見かけた。が。そもそも短時間しか停車しない路線バスを狭い道でわざわざ追い越そうとしたり、見通しが悪い状況で直進車が切れた一瞬の隙に右折しようとするせっかちさんな時点でハンドル位置の問題以前にどうかと思うが、物理的にも気持ち的にも余裕を持って(車間をあけて)、物理的にも時間的にも先を見る運転(=フツーの運転だと思うが)をしていれば、上記の例を含めて左ハンドルであることに起因する「危険」な状況というのはまずない印象。それが、実際に両方乗ってみての感想。逆に左折時の巻き込み確認は左ハンドルの方がしやすいという意見もあるようだが、目視確認のしやすさは近い側の方が良好とは限らないので、実際はハンドルの左右よりも車種ごとのウィンドウ形状やピラーの位置・太さによる影響がでかい気がする。同じ右ハンドルでも見切りの良い車と悪い車があるでしょ。左ハンドルって言っても自分の着座位置から右側の車幅がでかくて、左側の車幅が小さい車だと思えば、車種ごとの差の延長でしかない。合流や車線変更だって、左右どちらも必要になるんだから(特に首都高とかね…)、右ハンドルでも左ハンドルでも左右両方同じように安全確認できなきゃ意味ないでしょ。とは言っても現実問題として左側通行の国は右ハンドル、右側通行の国は左ハンドルに落ち着いた(デファクトスタンダード的な?)ということは、そこに何らかの差があるはずなので(具体的な理由は知らない)、当たり前だけど「左ハンドルは危険だ」という主張を100%否定はできない。右側通行なのに右ハンドル車ばかりという状態を40年以上続けてきたミャンマーという国もあるが、交通事情は非常によろしくないようだ。はたしてそれが主にハンドル位置のせいなのか、それ以外のせいなのか…。

唯一ハンドル位置による差を自分で感じたのは、狭くうねった峠道で山側(進行方向左手が山で右手が崖になっている)を“ハイペースで”走る場合。左ハンドルだと左カーブのとき自分が壁に近い位置にいるので、前方の見通しがすこぶる悪い。けど、逆に崖側(進行方向左手が崖で右手が山)を走る場合や右カーブでは見通しが良いとも言えるわけだし、そもそも“ハイペースで”はなく普通に走る分には何の問題もないので、敢えて挙げるほどではなかったかもしれない。結論としては、どちらかと言われればこちら程度の差はあるけど、どちらかと言われればこちら程度の差でしかない、と思うのだけどどうでしょう。

※ 具体的な理由は知らないけど、モータリゼーションの初期では右側通行の国でも右ハンドル車が作られていたようだし、フォードタイプTによって左ハンドルが広まった理由も安全性より「パッセンジャーたる貴婦人が泥や馬糞だらけの道路側から降りなくてもいいから」という理由だったりしたみたいだし。現在では原則逆ハンドルを禁止しているアメリカやオーストラリアみたいな国が多いようだが、それも国によっては貿易上の理由だったりするみたいだし、そもそもハンドル位置が逆であることによって看過できないほどの差し迫った危険があるのであれば、いくら外圧ガーとか言っても日本や英国が左ハンドル車の登録OKにしているはずないわけだし。と書いてみたものの各国の現状や歴史云々に関しては調べるのが面倒なので詳しい人教えてください。
Vol.43 クルマの雑学 PartIII ~どうして日本は左側通行なの?編~


日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 2

自分なりのバイアスでねじ曲げる第2弾。

左ハンドルは不便?
日本の道路や駐車場は右ハンドルを前提に作られているので、左ハンドルは不便だ(ていうかそんなの当たり前だろ、何を今さら)。確かに、ゲート式駐車場の発券機が右側にしかなかったりするので(ある程度大型の施設やホテルだと左ハンドル用がわざわざ設置されていたりするようだが少数だろう)、駐車券を取ってくれる友人が隣に乗っていないときは、いちいち車から降りないといけない。これはめんどくさい。いや、私の場合は更に重度のめんどくさがりなので、発券機ギリギリに寄せてシートベルトを外し助手席の窓を開け、右足でブレーキを踏んだまま助手席に右手をついて身を乗り出して、左手を伸ばしてチケットを取る、という方法で済ませてしまう(出口でお金を入れるとなるとちょっと大変)。が、これは車格が大きいと物理的に無理だし、こんな滑稽なことをせず大人しく降りた方が傍目には遥かにスマートだろう。あとは、路駐時に左側スレスレに停めると降りられないとか。これはありそうな話に思えるが、現実的にはそういう状況(ドアが開かないほど左側スレスレに壁がある状態)に陥ることはほとんどない印象。私が基本的に路駐しないからかもしれないが。それを言うなら道路によっては車がビュンビュン走る右側より降りやすい場合だってあるだろうし、駐車場では右側のドアが開けにくい状況だって多々あるので(左側より右側のドアを開けやすいように配慮して設計した駐車場なんて見たことない)、特にこの点では左右差を感じなかった。話それるけど右左に関わらず3ドア(2ドア)車はドアがでかいので狭いところで乗り降りするのが不便というのなら恒常的に痛感している。せめてアヴァンタイムみたいにWヒンジにしてくれと。アヴァンタイムはそこらの2ドアクーペが裸足で逃げ出す大きさだが。

それ以外は特に不便と思うことはない。本当にない。というか、クルマを単なる便利な道具として使いたい人はわざわざ左ハンドルに乗らないし、わざわざ左ハンドルに乗る人は少なからずシュミが入っているわけでそこに利便性なんて求めてないので、左ハンドルであることに客観的に見て多少不便な点があったとしても、乗っている本人は気にしないどころか、たぶん気付いてすらいない。そんなもの。これが現実。

ただ、本人はともかくとして助手席に人を乗せる場合で、かつその人が免許を持っていなかったり右側の席に乗り慣れていなかったりで、かつ路上で乗り降りさせるときなんかは、危険がないように運転者が気を遣ってあげる必要があるだろう。

そういえば左ハンドル車(クライスラー300C)の個人タクシー(東個協の白色青ストライプ)を見たことがあるが、あれってどうなんだろう。


日本で左ハンドル車に乗るヤツはアホ 1

どうやら、左側通行・右ハンドル車の国である日本で左ハンドル車に乗っていると、常識的な人たちから白い目で見られるらしい。けど、次に乗る車はもう一度左ハンドルにしようかなーと、乗り換えを検討する以前から考えてしまった自分がいる。理由は後述。そこで、改めて「右ハンドル・左ハンドル論争」について調べてみると、それはもうケイオスな世界で、とても私なんかが口を挟める状況ではない。なので、自分の中でだけ自分なりに決着をつけておく。つもり。

これまで左ハンドルのイタリア車と右ハンドルのイタリア車を乗り継いで、右ハンドルの日本車も時々乗って、あと同じ車種(プジョー206ね)の右ハンドルと左ハンドル両方に乗る機会にも恵まれて、色々思うところはあったのだけど。以下、よく語られるポイントについて、右ハンドル派と左ハンドル派(そんなものが存在すればの話だけどここでは便宜上そう呼ぶ)の主張を並べてそれを自分なりのバイアスで強引にねじ曲げてみる。

左ハンドルは見栄っぱり?
右ハンドル派いわく、「今どき左ハンドル乗ってるなんて見栄張ってるみたいで却ってダサい」と。曰く、舶来品=高級品という大昔の価値観と、ガイシャ=左ハンドルという短絡的な考えが合わさった思想だとか言うが、どちらかというと、ビジネスマンがやたらカタカナ語を使いたがる現象に近い気がする。というかそもそもクルマそのものがステータスシンボルとして機能しない今の時代に見栄とかお前は一体何を言ってるんだという感じだが、とりあえずクルマに興味のない現代の若者にはご退席願って、クルマがステータスシンボルになり得た時代の年寄りだけで寄り集まって議論したとしたら。高級だとか、レアだとか、上品だとか、何らかの点で「いいクルマ」に乗ってればあるいは誇れるかもしれないが、単に左ハンドルであることが一体どうやったらプラスに働くというのか。見栄を張れるクルマかどうか、それはメーカーや車種に依存する話であって、年式も車種もグレードも全く同じだったら右ハンドルだろうと左ハンドルだろうと優劣はないだろう。ハンドルの左右が関係するとしたら、「左ハンドル英国車などという邪道なものに乗ってる奴は鉄拳制裁だ!」とか言いそうな原理主義コミュニティの中だけだろう。日本で今どき輸入車に乗ってるなんて…と嘲笑うならまだ分かるが、それを左ハンドル叩きに置き換えてはいけない。ていうか経験上、「普通の人」はハンドルがどちら側にあるかなんていちいち見てない。興味ない人からすると助手席に乗り込もうとして、あるいは乗って少し経って初めて気付くくらいのものだろう。

つまり、見栄が張れると思ってわざわざ左ハンドルに乗ってる人も世の中にはいるのかもしれないが、少なくとも機能はしていない。逆に、一部の人から「今どき左ハンドルなんてw」とマイナスに見られることはある。質問サイトに「左ハンドル乗ってる人ってなんなの?自慢なの?」とか投稿してしまうような、重度の左ハンドルコンプレックスを持った人にだけは機能しているとも言える。そういう人って初代パンダとか初代トゥインゴの左ハンドルに乗ってる人にも「見栄っ張りめ」って思うのだろうか。

パンダいいよなぁ。後部座席にしか乗ったことないけど。


アテンザGJ!

マツダアテンザ(GJ)試乗記念の覚え書き。乗ったのも書いたのもカビが生えるほど昔だが放置していた下書きを見つけたので今更のように載せてみる。しばらく更新してないので、さも今書いたかのように最新の日付で。

ワールドカーデザインオブザイヤーのトップ3ファイナリストに選ばれただけあってなかなかにカッコイイ。発売直後は、街中で見かけるとつい目で追ってしまったものだ。それも結構売れてるみたいで都内だと頻繁に見るものだから、目で追いすぎて困った。しかし純正で19インチホイールとは随分思い切ったものだ。だって、“乗用車”でしょ?日産GT-Rが20インチを履くのとは意味合いが全く違う。太さは225のままだし。車格に対するタイヤ(ホイールではなく)の大きさの比率は、“乗用車”の中ではクライスラー300Cに次いでデカいと思う。個人的には好きだが、もはやアンバランスの域に入りかけてすらいるかもしれない。しかし、GGアテンザの23Sが215/45R17(外径625mm)、同23Zが215/45R18(外径651mm)。GHが225/45R18(外径660mm)、GJが225/45R19(外径685mm)。初代から10%近くも外径がアップしてる。モデルチェンジ毎に1インチずつアップとかどうなのよ?この調子だと次回のモデルチェンジで20インチが標準になりかねない。ぜひやってくれ。しかしボディばかりブクブクと肥大化して相対的にタイヤがちっちゃく見えて不格好になってしまったレガシィなんかを見ると、タイヤの大径化は大正解と思える。ランニングコストとか考えたら実用的ではないのは明白だが。

試乗車はワゴン、XDのLパッケージ。セダンとワゴンでホイールベースが80mmも違うという前代未聞の設計のせいか、見た目の印象が全然違う。ワゴンを見た後でセダンを見るとダックスかよと思うくらい胴長に見えるし、セダンを見た後でワゴンを見るとコミカルなくらい短く見える。見慣れたらどちらもそれはそれでカッコよく思えてきた。

エンジン始動。アイドリング中にフロントグリルの前に立つと、ああディーゼルなんだなって音がするけど、逆に言うとそれ以外ではディーゼルっぽさは皆無。よくここまで上品に仕上げたものだ(ディーゼルというと未だに昔のハイラックスサーフのイメージがあるので特にそう感じる)。車外で聞くエンジン音だってBMWの320d(いかにもディーゼルな音)なんかよりずっと洗練されてる。乗り込んでしまうとエンジン音は全く気にならない。ただアイドリング中にシートに伝わってくる弱い振動が唯一ディーゼルなんだなあと思い出させるが、それも走りだすと消えてしまう。

シートポジション調整。ヒップポイントが高いという前評判をどっかで見て、ローポジション好きな自分はその点が気掛かりだったが、目一杯下げれば乗用車としては十分低いレベル。スポーツカーと思って乗ると腰高かもしれないが、そもそもアテンザはスポーツカーではないのでそこまで求めなくていいだろう。ただ、アテンザはMTを選ぶ人も多いし、実用性のあるスポーツカーとして乗りたい人も多いだろうとも思う。かと言ってメモリ付き電動でシートヒーターまで付いてる本革シートを社外品セミバケに交換するというのもなかなかない話だし、純正オプションまたはサードパーティーによる部品交換などで、純正シートのままポジションを更に下げられる道があるとといいかなとは思う。アバルトのように。後席のレッグルームは当然犠牲になるだろうが、そういうことする人はそういうこと気にするはずがない。

そして走り出す。さすがに低回転からトルクが太い。でも、ディーゼルだからと期待するとそこまででもない感じ。逆に、吹け上がりは「これがディーゼルなの!?」というくらいスムーズで、全くストレスがない。レブカウンターの数字だけ書き換えとけばガソリンエンジンと言われても気付かないレベル。そこそこの排気量のNAガソリンエンジンみたい、なのかな(そこそこの排気量のNAガソリンエンジンの車にちゃんと乗ったことがないので想像)。音も、ディーゼルっぽくない。ある程度上まで回したときのややザラついた感じのエンジン音がガソリンエンジンとは確かに違うが、不快な音質ではない。だから、余裕のトルクでゆったり走るんじゃなく、ぶん回してスポーツ気分を味わう走りだってできてしまう。

パドルシフト…の操作感は忘れた。ほとんどレバー操作で乗ってたから。街中を走るならパドルオンリーじゃなく、シフトレバーも使えるというのはやはり便利(ステアリングを回したままシフト操作ができるから)。マニュアル派でATのマニュアルモードでもパドルよりレバー操作の方が好きな私だからかもしれないが。しかし…。6速ATなのだが、マニュアルモードで早めのシフトアップを試みても、60km/hを少し上回らないと5速に入ってくれない。つまり、一般道で(メーター読みで)きっちり制限速度を守ると、4速までしか使えないわけだ。それじゃあ元々4速ATのGGアテンザと実質変わらないじゃないか。6速なんて高速道路でしか使えないだろう。全域でトルクが太いディーゼルなのでクロースレシオにする必要はないだろうが、6速になったら細かくギア選んで走れることを期待していただけにガッカリ。後から聞いた話だと、低速でハイギアに入れ過ぎると(というかハイギアの状態で低速になりすぎると)、ロックアップクラッチに負担がかかるため(詳しい理屈は分からん)マニュアルモードの時だけ制限を設けているらしい。ので、ATモードでは一般道でも状況によって普通に6速まで使って走っているらしい。つまり、マニュアルモードは、せっかく自分でギアを選べるのに選べるギアの数が少なくて、そのぶん回転数も上がるから燃費が落ちる。まあ普通わざわざマニュアルモードで走りたい時は低いギアを多用してエンジンをぶん回したいときだから、間違ってはいない。けど、ゆったり走ってるときも含めて常にマニュアルモードで走りたい人には納得のいかない仕様である。そういう人はMTを選べということか。ですよねえ。まったくだ。

ペダルの位置。エンジンの搭載位置とクラッシャブルゾーンの位置を再考して、右ハンドルFF車ながら広いレッグスペース、それに伴い自然なペダルレイアウトを実現、みたいなことを謳ってたが…。そもそもGGやGHアテンザでペダルレイアウトに不満なんてあった?マニュアル仕様はいずれも乗ったことがないので分からないが、このサイズの国産車で今どきペダルレイアウトが不自然なんてことあるのだろうか。右ハンドルのイタリア車なんて乗ってたから感覚がおかしくなってしまったのだろうか。というかAT車に限って言えばペダルの位置なんて多少ずれててもほとんど問題にならない。MT乗ってみないと何とも言えない。

しかし、最近の国産車のバックミラー(ドアミラー)は本当にデカい。確かに後ろは見やすいかもしれないが、もはや斜め前の視界を遮る勢いの巨大さだぞこれ。それに、なんか位置がやたらと顔に近いのも気になる。だから余計に大きく感じる。まるで軽のワンボックス、いや軽トラを運転してるみたいな気分だ。ドアミラーが生えている位置自体が自分に近い(Aピラーとミラーの間に隙間を作ってミラー越しの視界を確保するためにこの位置にしたらしい)のが原因のひとつなのは間違いないが、これについては、事前に仕入れた話とつなぎ合わせると合点がいく。アテンザは、FF車らしからぬプロポーションのため、Aピラーをぎりぎりまで後ろに下げている。その上で後席レッグスペースを確保するために、「起きた」ドライビングポジションになっている。だから顔とAピラーが近いと。そう言われると確かにAピラーが近い気がするし、ミラーがでかくて邪魔に思えるのはそのせいかもしれない。最近のFF車はキャビンを広く見せるためか(実際に広いかどうかはともかくとして)ボンネットを短く、フロントガラスを前進させるのが常で、「サッカーができるほどダッシュボードが広い」(ジェレミー談)ニュービートルみたいな車もあるくらいだから、現代のFF車にしか乗っていない私は、そういう感覚に慣れてしまったのかもしれない。そいつらからしたらアテンザのフロントガラスはきっと近い。だからといって特に不都合はなくて、Aピラーが邪魔しないから前方視界は却って広い。だったらミラーがこんなにデカい理由は何もないのではないか。アルファ156並みとまでは言わないが、せめてもうちょっと小ぶりなミラーにしてくれても良くないかこれ。

ほんの短距離・短時間の試乗で、ドアミラーの位置なんていう細かい点にまで文句を付けたくなるということは、それだけ「大きな」欠点がない、優秀な車だということだろう。けど、電動ドアミラーだし、NAロードスターみたいに気軽に社外品のミラーに交換するわけにもいかないよねきっと。車種専用の社外品が出るほどの人気車種ではないだろうし、マツスピで小ぶりなエアロミラーとか…出ないだろうなぁ。うーん。私としては、「見た目カッコイイ!」とかよりも、「ドアミラーの位置がイイ!」とかの方が、オーナー(外から眺めるより乗ってる時間の方が格段に長い)になるかどうかの判断の際には重要になってくる気がするのだが。

再びカッコよさについて。最初に書いた通り、なかなかにカッコイイ。でも、全方位的に均整のとれたカッコよさとは違う。確かにカッコイイのだけど、アンバランスというか、見る角度によってどこかラインが破綻したような、危なっかしさを感じる。「整ったキレイな顔立ちだけどどこか印象の薄い美人」ではなく、「美人なんだけどどこか特徴的な顔立ちで印象に残る」みたいな。きっと、FFともFRともつかないAピラーの位置とか、前半分同じなのにホイールベースのせいで印象が違いすぎるセダンとワゴンとか、デザインと現実がどちらも譲らず格闘した結果が、この、一応形を成してはいるもののこれからまだ何かが起こりそうな雰囲気を作っているのではと思う。

もう一つアンバランスな点。先代までは、タイヤハウスの異様な隙間が気になってしょうがなかった。ローダウンすることが前提になっているとしか思えない、フェンダーアーチとタイヤの合ってなさが特に許せない。オフロード車じゃないんだからさ…。ところがGJアテンザは、ノーマルでフェンダーとタイヤのアーチが綺麗に合っている。そう、これこそが基本。BMWとか、トヨタでさえも最近は当たり前にやってることなのだが、なんで今までこれができなかったのか。それでいて最低地上高を150mmも確保していることは賞賛に値するが、その地上高のせいなのか、実車を見ると角度によって腰高感がある。ショーモデルやメーカーイメージフォトではそんな感じしないのに、やっぱり、デザイナー的には少しローダウンした状態を完成形としているのではないか。けど、この状態からローダウンしちゃうと、フェンダーアーチとタイヤが逆に合わなくなって(タイヤの前後の隙間より上部の隙間の方が狭い状態)、いかにもローダウンしてますよ的な感じになってしまう。つまり、ほんの少し下げただけで、地上高も十分確保しているのに、そこだけに注視するとガラ悪い感じになる。合法的にカスタム感が味わえるので、その手の趣味の人にはいいのかもしれないが、それもそれでどうかと思うんだな。車高は無闇に下げずにエアロパーツ(笑)を装着した状態が、一番見た目のバランスがいいかも。あくまで見た目だけの話で。


試乗きろく 206RC

長らく興味のあった206RCにこんな理由で試乗する日が来るとはね。今のところ基本イタリア車乗りでありたいと思っている私にとって、唯一(はだいぶ言いすぎだが)気になっているフランス車。これを試乗しないことには先に進めない。乗ってみて大して良くなければ、「やっぱイタ車だよね~」となるし、すごく良ければ、イタ車縛りなんてものから脱却してもいい。いや、そんな縛り最初からない。イタリア車は好きだけど、イタリア車であろうとなかろうと、良い車は良いのである。当たり前か。

そんな思いで乗った206RC。基本的にフルノーマル。77000km。シートポジションの調整方法…なぜこのレバーがここに?なぜこんな形状?と、まずこの時点で早くもフランス車の洗礼を。ちょっと頭おかしくなければこんな設計・デザインにならないだろ。面白いんだけど。で、RC専用のセミバケ形状のシートは…なんか、ゆったり。少なくとも標準体型の人間だと、ホールド感と言えるようなものはほとんどない。普段気軽に乗るにはむしろ都合がいいが、レーシー(笑)な見た目との落差にちょっと拍子抜け。ポジションは…到って優秀。あるべきところにペダルがあり、ハンドルがあり、シフトレバーがある。なんの違和感もない。さすが左ハンドル車である。

しかし、走り出してみると少し事情が変わった。ハンドルがちょっと遠い。テレスコ調整がほしい。そして、シフトも少し遠い。1速や3速に入れると前方向に遠い。かといって、シートを前に出すと、ペダルが近い。まるで、一昔前のイタリア車、いわゆる「イタポジ」のようである。まあ、ヒップポジションをめいっぱい下げて無理やりに足を投げ出すポジションを取っているからなのだけど、そのためにヒップポジションを上げるのは私の流儀に反するし(視界確保のためとかなら分かるが)、膝を曲げ気味にしようとすれば脚がステアリングコラムに当たってなんか窮屈。

パワステは、やや重い。絶妙な操作感で自分的にちょうどいい重さなのだけど、だからこそもう少し体の近くで回したくなる。国産コンパクトのアホみたいに軽いパワステならこのくらい遠くても問題ないのだが。シフトは、クイックだとか、節度感のあるだとか、特別そういう感じではないが必要十分にカッチリしていて、好印象。以前乗ったクイックシフト導入済み(と思われる)206のシフトは硬かったからなぁ。普段使いにはこんくらいがいいなぁ。ノブの高さもちょうどいいので、操っていて気持ちがいい。

ところが、足。ちょうどいいペダル配置だと思っていたが、ピップポジションをめいっぱい下げているせいもあってか、クラッチを踏むときペダルの少しでも上寄りの位置を踏もうとすると、ペダルのアームか何かの突起か何か(よく分からん)につま先が当たってしまってうまく踏めない。つまりこのペダルは、ヒップポジションはあまり低くせず、アップライトなポジションでつま先寄りを使って上から踏む前提のようだ。クラッチの重さは、激オモのプントに慣れた私でも、軽いってほど軽くもない、と感じる、まさにベストな重さ。スポーツモデルだなって感じがする。だからこそスポーティ(笑)なポジションで踏みたいのに、つま先が当たるのが気になってしょうがない。慣れの問題かもしれないが、緩いシートに反し、とにかく色んなところがギリギリ。これは足が大きい人だと無理だろう。ブレーキとアクセルは、角度といい前後左右の位置関係といい、非常に良い位置にある。ヒール&トウも容易にできる。右ハンの206XSに乗ったときの絶望的なペダル配置は何だったのか。

事前の情報で、2リッターだから力はある、けどローギアがやたらハイギアード、という先入観を持った上での発進は、XSと比べるべくもなく簡単。ハイギアードなのに、アクセルほとんど踏まなくても走り出せそうなくらい力がある。少し踏んで半クラ使った方がもちろんスムーズだけど。そして、最初の角を曲がる。ステアリングが…切っても切り足りない。なんだこれ?ロックtoロックがいくつなのか分からないけど、なんかダルいぞ?

なんかたぶんこの瞬間に、私の中でこのクルマの試乗は終わってしまった。曲がり角の度にこんなにステアリングをクルクル回すのなんて耐えられない。いや、そういう性格のクルマならそれはそれでいいのだけど、このクルマに求めてるのはコレじゃない。

しかしながら、加速は悪くない。ノーマルマフラーなので音は小さいけど、ある程度回すと、心地よいエンジン音が聞こえてくる。市街地なのであまり急加速は試せなかったが、ちょっとアクセル踏んだくらいだと、わずか1,100kgのボディに177psもあるクルマとは思えない。実に控えめな演出で、「本気出すと速いんだぜ」という感じを匂わせる程度。実際、踏めば速いのだろう。GTとしては良い味付けだが、こいつはGTじゃなくてRCだぞ?期待してるのはそういうことじゃない。

まあでも、日常のアシに使うのである。こういう味付けの方が、付き合いやすいのは確かだ。けどな。だったらなぜ?と思うのが、足回り。足はノーマルということもあって特別硬くないけど、かといって、「猫足」とか言われる雰囲気は微塵も感じない。スポーツ走行したらどうか分からないけど、普通に市街地を走った限りでは、リアの突き上げというか、リアが跳ねるような感じが気になった。リアの荷重のわりにサスが硬すぎてうまく機能していない印象。販売店の方(プジョーに詳しい)いわく、リアサスは206SWの部品を使い回してるらしい。ある程度荷物を積むことを想定したワゴン用のサスをそのまま流用したらそりゃあこうなるだろ、となんとなく納得。ただ販売店の人はその硬さを17タイヤの扁平率のせいだって言ってたけど、プントだって17インチだもん。そして同じ足回りで15インチ(スタッドレス)履いたりもしてるもん。タイヤが変わったときに感じる感覚とは確かに違う。

結論としては、こいつはラリーを匂わせる「RC」というグレード名を持っている(実際何かの略というわけではなく、WRCを連想させるための名らしい?)し、カタログスペック上は相当なパワーを持ってるし、足回りは硬いし、純正で40偏平の17インチなんていうやる気に満ちた仕様の、紛う方なきホットハッチだが、中身はGTカーだ。実際速いんだけど、(まさに206のヘッドライトのように)目を吊り上げてワインディングをかっ飛ばすんじゃなく、肩肘張らずにゆったりと高速をすっ飛んでいくのが似合ってる気がする。ようするに大人のクルマだ。そんな魅力を理解するには、私はまだまだ精神年齢が足りなかったようだ。

あれ、そういえばプントも、非力だが軽くてワインディングが面白い1.2スポーティングに対して、パワーはあるが鼻先の思い1.8HGTはどちらかと言うとGTカーだって、どっかに書かれているのを見たような…。つまり私ごときには何も分かってないということか。失礼。


Peugeot 206WR

プジョー206WR プジョー206は珍しくもなんともないけど、これは…!おそらくワイエムワークスというところが出してるコンプリートカーもしくはボディキット装着車、206WR。迫力の全幅1770mmで3ナンバー登録。隣のヴィッツRSが小さく見えるのは遠近法だけではないだろう。内装やバッジから、ベースは206RCと思われる。

普通のデルタからエヴォルツィオーネになったくらい迫力あるね。2013年も終わろうとしている今、自分の中で一番アツいフランス車である。…208がデビューして久しいというのにね。


FIAT 850 Special 4ドア

FIAT 850 Special 4ドア 世界的にも希少なFIAT850スペシャルの4ドアセダン。

一見すごーく地味だし、分かる人しか分からない(私も言われなければそんな希少車だなんて知りえなかった)、真のエンスー車である。けど如何せん何も知らないので何も語れない。世界に1台とか日本に1台なんて言われたりもしているが、日本に2台存在するらしい(真偽は不明)。世界に何台あるかは知らない。

http://www.hobidas.com/auto/carpedia/archives/2006/06/6850.html
http://minkara.carview.co.jp/userid/1260054/blog/28461215/


テーマ : イタ車
ジャンル : 車・バイク

300SL目撃

某県の都市部を微妙に外れたあたりのコンビニにて。

メルセデス300SL

なんと、あのメルセデス・ベンツ300SLロードスターを目撃。ちょうどガルウィングドアを開いて乗り込むところ。めっちゃ乗りにくそう…。こんな車でコンビニに寄っちゃうところがまたスゴイ。思わず用もないのにコンビニ入っちゃった。そして300SLがイイ音を立てて走り去っていくところを見ていた。

メルセデスは個人的にわりと全然興味ないのだが、300SLと500Eだけは別。


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